部員6人で全国大会へ! 和歌山南陵高校 給与未払いで教員スト&生徒募集ストップ ただいまクラファンで“支援の輪”拡大中
母、三奈子さんによると、二宮選手は「部員が4人になったら転校したかもね」と話していたこともあるそうだ。しかし、「全国の舞台を踏むチャンスは消えたわけではない」と、和歌山を離れる相談は家族にはなかった。 ■全国遠征も金銭的なサポートなし 保護者らは27万円をそれぞれ支う 二宮選手が2年生の12月に行なわれたもう一つの大事な全国大会「ウインターカップ」では、3年生たちと一緒に部員17人で東京入り。1年生部員はいなかった。つまり、年が明けて2024年シーズンになると二宮選手らが最終学年となり、生徒募集が再開されない限り、6人だけのチームになるということを意味していた。母、三奈子さんも「どうしてあげたらいいのだろうとずっと悩んでいました」と振り返った。 学校は、幾度か理事長が変わるも経営は改善されなかったという。全国遠征というのに学校側からの金銭的なサポートはバスケ部に対して皆無。保護者らは自分の子どもにかかるウインターカップ中の遠征費用として、27万円をそれぞれ支払ったという。和歌山南陵高校バスケ部の創部は2020年。その歴史は浅い。OBからの寄付などのサポートも期待できない状況だった。 ■野球部の部員は10人 吹奏楽部は2人 ギリギリの窮地 また、和歌山南陵高校ではバスケ部のほかに野球部と吹奏楽部も活動している。部活は全部でこの3つだ。野球部も状況は大変で、部員は10人のみ。そして、吹奏楽部は2人だけという。全校生徒は、バスケ部の6人を合わせて現在18人の高校。全ての生徒が部活動で人数問題に直面しているのだ。 野球部は、けがなどで1人出場できなくなると、9人ギリギリの窮地に立ってしまう。ピッチャーは試合で球数制限がある。交代選手はどうするのかというと「野手がいつでも変われるように準備しているらしいですよ」と母、三奈子さんは教えてくれた。一方、吹奏楽部の2人は、他校と合同でなければ吹奏楽としてのステージは踏めない状況にある。