部員6人で全国大会へ! 和歌山南陵高校 給与未払いで教員スト&生徒募集ストップ ただいまクラファンで“支援の輪”拡大中
入学の年を翌年にひかえた秋、和歌山南陵高校バスケ部の練習体験会に参加。その時、チームのプレースタイルがしっくりきたこともあり、家族の元を離れることを決心した。 入学すると、身長205センチのナイジェリア人留学生、アリュー・イドリス・アブバカ選手をはじめ、1年生は14人。和歌山県外から集まっていた。上級生と合わせると、当時の部員数は全部で46人だった。 バスケットボールはインターハイではベンチ入りは12人と決まっているため、熾烈なレギュラー争いが待っていた…はずだった。 しかし、二宮選手らが入学した直後の2022年5月、給与の未払いなどを理由に教員らがストライキを行う「異例の事態」に。 ■寮の朝ごはんは…「菓子パン」ひとつ 生徒たちは、人生を大きく左右されることに。高校の運営母体である学校法人は、静岡県菊川市にあったが、その静岡県から経営の改善を求める措置命令を受けた。校長が高校に常駐していないとか、図書室が未設置といったずさんな学校運営が明らかになった。そして、次の年からの生徒の募集は停止される事態に。 和歌山南陵高校の開校は2016年4月。少子化を背景に大幅な定員割れが当初から続き、3学年の定員360人の定員割れが改善されることはなかった。こうした中で教職員らへの給与未払いまでおきた深刻な経営難。生徒が身を寄せていた寮の3食の食事にも影響が出たという。 二宮選手の母、三奈子さんは「今は改善されていますが、ひどい時は出される朝のメニューは、菓子パンひとつ。ランチは、ご飯、少量のおかず、具なしのみそ汁。夜もご飯、少量のおかずと野菜、具なしのみそ汁といった内容でした」と証言。 実家に「インスタント食品を送ってほしい」とSOSを発信する生徒も、珍しくなかったということだ。二宮選手らバスケ部14人の1年生は、入学早々に前途多難な高校生活が始まったのだった。 そして、同級生の中には「心置きなくバスケをやりたい」と転校の判断をした生徒も。その年の夏休みが終わると、1年生部員は14人から一気に7人に。学年が終わる頃には現在の6人だけになってしまったのだ。