【アイスホッケー】五輪最終予選、日本0勝3敗。 ⑦大津晃介(栃木日光アイスバックス)
「クレインズに入った当初とは真逆の人生。 でも、自分の生き方に誇りを持てますよ」
9月、大津はアジアリーグの開幕前日に31歳の誕生日を迎えた。次の五輪予選は34歳から35歳。自身のキャリアについては、どのように考えているのだろう。 「日本代表はこれからも常に選ばれたいと思っています。役割は徐々に変わっていくかもしれないけど、日本のために何ができることをしたい。日本代表は、一生いたいところなので、僕からリタイアする気はないです」 昨季、北海道ワイルズで1年間、プレーした。そして思うところがあって今季、アイスバックスでのプレーを選択している。親子2世代のトップリーガー。アイスホッケーの現状について、言いたいこともあるのではないだろうか。 「アイスホッケーは本当に面白いスポーツなんだけどな…。いつもそう考えながらプレーしているんです。でも、勝っていくだけではスポーツの価値として上がっていかないんじゃないかと思うんですよ。たとえば、日本代表のロッカールームとか、ウォームアップの時とか、もう最強にいいチームなんです。バス移動、ミーティングの場面で見ても本当に誇れるチームだった。それこそ、テレビ番組1個つくれるくらい感動的だったんです。そういう映像を、ファンに早く見てもらえるようになりたいんですけどね」 大津は2016-2017シーズン、日本製紙クレインズに入団した。当時の大学生にとって、一番のエリートが集まるチーム。それがクレインズだった。 「クレインズに入った当初は、今とは真逆の人生を思い描いていました。釧路で現役生活を終えて、それから東京で仕事をして…。でも、そうはならなかった。俺の人生ってこうなんだよな…と思いました。でも、自分の生き方に誇りを持てるんですよ」 一番やりがいのある部分と、一番しんどい部分と。大津晃介のアイスホッケーは今、山頂から見て何合目に来ているのだろう。 大津晃介 おおつ・こうすけ HC栃木日光アイスバックス、FW。1993年9月6日生まれ。栃木県日光市出身。日光清滝小、日光中、日光明峰高から明治大学に進み、卒業後は日本製紙クレインズに入団する。2019年春の廃部を受けて、ひがし北海道クレインズ、昨季は北海道ワイルズに籍を置き、今季から地元のアイスバックスでプレーする。父・英人は元古河電工DFで、バックスの一期生。弟・夕聖は、アニャンHLのDFとしてプレーしている。今季のリーグ戦は、前半の日程を終了して16試合、4ゴール8アシスト。以前は喫煙者だったが、長女の誕生と同時に、きっぱりとやめた家族思いのパパでもある。
山口真一