リアス・アーク美術館、災害の記憶をどう継承していくのか 目黒区美術館で
一方、椹木さんは、災害の記録にかかわる美術博物館の活動について、「(次の災害に備えた)“事前”の美術」と形容し、今後の美術博物館のあり方のひとつとして重要視している。トークでも「地殻変動が頻繁に起きる最前線の国で、大地震、噴火など自然災害にさらされる場所で、美術、美術館はどうすべきか。(災害で)失った人を求める思いが、文学や絵画、詩などになっていく。ヨーロッパとは異なる、そんな文化の流れがあって、慰霊や教訓、(災害の)記憶から、日本列島の文化を考えたとき、それが機能する場所として、美術館はあるのでは」と述べた。 目黒区美術館での展覧会は21日まで、入場無料。21日以外は月曜休館。問い合わせは目黒区美術館(03・3714・1201)へ。 (取材協力:青山ブックセンター、リアス・アーク美術館)