ツバル、島の記憶をデジタル保存 首相、温暖化による水没に備え
【フナフティ共同】南太平洋ツバルのフェレティ・テオ首相は17日、地球温暖化による海面上昇で将来的に国土の大半が水没する「最悪のシナリオ」に備え、島の記憶を「次世代に末永く残るように大切に保存する」と述べた。デジタル空間に電子政府や公文書保管庫を設置することや、島を訪れる疑似体験ができる仮想3次元空間をつくり出すことを計画している。国民がオーストラリアへ大量移住するとの見方は否定した。 首都フナフティで共同通信のインタビューに答えた。テオ氏は海抜が平均2メートル程度しかない国土が海面上昇に耐えられるようにするため、30~40年かけて海岸の埋め立てを進める考えを示した。 その上で、国際社会に「海面上昇(や国土水没)に関係なく、ツバルなどを国家として認めること」「(領海や排他的経済水域などの)海洋境界線が永続的なものであると確認すること」を要求。拘束力のある国連条約にするよう働きかけていくとし、日本にも賛同を求めた。
米航空宇宙局の調査によれば、2050年までに国土と主要インフラの大半が満潮時に水面を下回ると推定されている。