“中国で中国人のために作る日産車”「N7」が登場。反撃の狼煙となれるのか
「The Arc」期間中に発売される初の中国向けEV/PHEVは実にスタイリッシュ
2024年11月15日に開幕した広州国際モーターショーにおいて、日産自動車の中国合弁会社である東風日産が新型EV/PHEV(=新エネルギー車)のミディアムセダン「N7」を発表した。NISSANブランドで販売されるものの、開発/生産は東風日産が行い、変化の急な中国マーケットの動向にもスピーディに対応する。中国での発売は2025年半ばを予定しており、海外への輸出も計画されている。 【写真】「日産N7」をもっと詳しく見る 衝撃の上半期決算発表から10日以上が経過、その後の株式市場の動向なども重なり、名門日産の将来を不安視する声も少なくない。そんな渦中の日産が、11月15日に開幕した広州国際モーターショーで、合弁会社である東風日産(東風汽車有限公司DFL)が開発した新型EVセダン「N7」を発表した。2024年4月に開催された北京モーターショーで公開されたコンセプトカー4台(EV2台+PHEV2台)の市販第一弾モデルであり、中期経営計画「The Arc」期間中に発売される初の中国市場向けEV/PHEVでもある。 公式発表によると、N7は「東風日産の新しいモジュラーアーキテクチャーを採用する最初のモデルで、EVとプラグインハイブリット車両用に開発されています。中国で開発/生産されており、中国のお客さまにストレスのない運転体験、優れた快適性、そして先進的な機能をお届けします(※原文ママ)」とのこと。アーキテクチャーとは、単にシャシやバッテリー、モーターを意味するだけではなく、ハードウエア/ソフトウエアも含めた電子アーキテクチャーを指す。つまり、本格SDV化への第一歩だ。 全長4930mm、全幅1895mm、全高1487mm、ホイールベース2915mmなのでティアナ(中国では現在もアルティマとして販売中)よりもやや大きいが、これは現地のミッドサイズセダンでは平均的なサイズ感だ。BYDを筆頭にほとんどの現地メーカーがラインナップしており、さらに日欧米メーカーも絡んで鎬を削るレッドオーシャンでもある。決して“楽勝”なセグメントではないが、そのぶん潜在需要も大きく、そこそこの販売台数が見込めるカテゴリーでもある。