酵母ファーストがおいしさの秘訣! 東京・梅が丘のサワードウ専門店「BAKE STORE」に注目
サワードウとは「サワー種」という天然酵母と小麦粉・塩・水のみを原料とするシンプルな食事パン。東京・梅が丘のサワードウ専門店「BAKE STORE(ベイクストア)」では、すべてのパンが自家製のサワー種をつかって作られている。 『エル・グルメ No.40』掲載
「僕も現地に行くまでは知らなかったんですが、オーストラリアはサワードウの文化が確立されていたんです。カフェでは一日中サワードウが出てくるし、ドーナツにもサワー種(サワードウの材料となる自家製の天然酵母)を入れるのが当たり前でした」「ベイクストア」のベイカー太田翔一朗さんは、食品会社を退職して渡ったオーストラリアでサワードウとの"運命の出合い"を果たす。 看板商品は、シンプルな「ホワイト」。かみ心地のよい皮と、程よくやわらかでもっちりしたクラムが絶妙。全長30㎝以上のビッグサイズだが、軽やかな味わいで、いくらでも食べられる。
サワードウの材料は小麦粉、塩、水、そしてサワー種。シンプルなパンだからサワー種の風味が前面に出て、作る人や気候次第で大きく味が変わる。サワー種には毎日材料を継ぎ足して発酵し、大切に繋ぎながら使う。 オーストラリア・ゴールドコーストのサワードウ専門店で経験を積んだ太田翔一朗さん。
ベーカリーカフェやサワードウの卸売店で働き、その魅力にとりつかれた。現在は日本では珍しいサワードウ専門店で腕を振るう。食パン型に入れて焼いた「ティンブレッド」も、ぺたんとした形がかわいい「チャバタ」だって、店に並ぶパンはすべてサワー種で作ったサワードウだ。 ショーケースには、チャバタやライ麦のパンなど食事パンだけが並ぶ。
「僕のパン作りは、小麦粉よりも酵母ファースト。サワー種にどの小麦粉を合わせれば最も味がよくなるか。どの温度帯なら気持ちよく発酵できるのか。常に考えています」 オーストラリア時代から継ぎ続けているサワー種でパンを作る。