ママ友がフリマで「月10万円」ほど稼いでいるようです。「月10万円」なら扶養を外れないといけませんよね?
「扶養から外れる」という場合、それが税法上の話なのか社会保険上の話なのかを分けて考えなければなりません。例えば、「パートタイマーやアルバイトで、年収が103万円を超えた場合、扶養から外れるか?」という質問があったとします。 この場合、「税法上の扶養からは外れるが社会保険上の扶養からは外れない」という回答になることがあります。 本記事では、「ママ友がフリマで月10万円ほど稼いでいる」というケースを取り上げ、税法上と社会保険上のそれぞれについて、扶養から外れるかどうかを解説します。「扶養から外れる」ということについてご理解いただけると思いますので、ぜひ最後までお読みください。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
税法上の扶養から外れるか?
「税法上の扶養から外れる」とは、「所得税の計算上、所得控除が受けられなくなる」ということです。所得税を計算する過程で、納税者に扶養している配偶者や親族(以下「被扶養者」といいます)がいる場合、一定の金額の所得控除が受けられます。 その結果、被扶養者がいないときに比べ、納税者が納めるべき所得税額は低くなります。つまり、税法上の扶養から外れた場合、扶養であったときに比べ、納税者が納めるべき所得税額は高くなります。 さて、ママ友が税法上の扶養から外れるかどうかは、配偶者控除または配偶者特別控除における控除対象配偶者から外れるかどうかで判断します。なお、扶養から外れるということはこれまで扶養だったと考えられるため、収入(所得)以外の要件は全て満たしているものとします。 控除対象配偶者となる人の所得に係る要件は、以下のとおりです。 ・配偶者控除:年間の合計所得金額が48万円以下 ・配偶者特別控除の場合:年間の合計所得金額が48万円超133万円以下 俗にいう「103万円の壁」は、一般には「所得税がかからないライン」といえますが、「配偶者控除を受けられるライン」ともいえます。「年間の合計所得金額が48万円以下」とは、「年収が103万円以下(給与のみの場合)」と同義だからです。 では、「フリマで月10万円ほど稼いでいる」場合はどうでしょう。一般に、フリマで稼いだお金は雑所得または事業所得に分類され、給与(給与所得)とは扱いが異なります。雑所得および事業所得の金額は、いずれも総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。 総収入金額を仮に120万円(10万円×12ヶ月)とした場合、ここから必要経費を差し引いた金額が所得金額となります。古着を転売しているのであれば、それに伴う費用が必要経費となります。 この計算の結果、所得金額が48万円以下であれば、配偶者控除を受けられるため、扶養から外れないといえます。一方、所得金額が48万円超133万円以下であれば、配偶者特別控除を受けられますが、その所得は所得税の課税対象にもなります。なお、今回のケースでは、所得金額は多くても120万円ですので、配偶者特別控除は受けられます。