連載180回めを祝して! 180と言えば、の名作ローファーの気になる5足を紹介します
ウエストンの180と言えば、ローファーの最右翼!
2020年09月10日にスタートした連載企画#靴魂も気づけば、今回で180回め。ん? 180?? なんか聞き覚えのある数字。あっ! あの人気の靴だ。 どうせウエストン履くなら! 他人とカブらないレアな5足を写真で紹介 ということで、第180弾では J.M.ウエストンの「#180」をピックアップします。 J.M.ウエストンは、1891年に創業したフランスを代表する老舗シューズブランドです。 創業者エドゥアール・ブランシャールの息子ユージェーヌは、アメリカ靴の製造方法に関心を示し、ボストン近郊の街 ウエストンにてグッドイヤーウェルト製法を学んだことからブランドをJ.M.ウエストンと名付けて 大きく成長させ、現在に至ります。 既成靴において J.M.ウエストンのクラシカルなラインでしか見かけない技法があり、有名な割りにあまり知られていないので、今回はまず その辺のお話から。 通常 グッドイヤーウェルト製法では、中底にリブテープと呼ばれるT字形のパーツを接着します。このリブテープのおかげで、すくい縫い(靴の中底にアッパーをつり込んで、ウェルトと呼ばれる棒状の細長い革を巻きつけながら縫い付けること)が機械でできるようになり、量産が可能になりました。 しかし、ウエストンは中底に切れ目を入れて 掘り起こした通称「ドブ」を作り、ここをすくい縫いしていきます。これは 9分仕立てというハンドソーン製法と同じやり方で、時間と手間、そして職人の技術も必要なのです。 ただ、この方法で作ることによって、履き始めの初期段階から 靴の返りが良くなるため履き心地も快適になります。実際の付き方は逆さまですが、リブテープの形状を「T」、ドブの形状を「r」と考えると、どちらがチカラをかけずに折れ曲がるか想像がつきやすいのではないでしょうか。 さて、そんなJ.M.ウエストンの中でもブランドを代表するアイコン的な存在となり、世界で最も愛されるローファーが、「#180 シグネチャーローファー」。 しかし、このモデルにも闇の時代はありました。1946年に誕生して瞬く間に反響を呼びますが、60年代に入ると"おじさん靴"と捉えられ、人気が低迷してしまうのです…。 ところが、ドラッグストアに群がる無法な若者たちが、"おじさん靴"的な存在になっていた父親の「#180」を素足で履き、リーバイス®501®を合わせるというスタイルを確立。これが社会への反抗を示す記号となり、一気に復活を遂げます。 その後は皆さんも知っての通り、フレンチトラッドのアイコンとして誕生から70数年経った現在も欠かすことができない唯一無二の存在となっています。 では話をクルリンパと戻して、J.M.ウエストンの「#180」の投稿5選をご紹介していきます!