よくあんな15歳の生意気なガキを仲間に入れて、面倒見てくれたなってーー中3でJ1デビュー、森本貴幸の今
―才能のある子供の環境選びは簡単ではないですね。 「難しいことだし、本人にはわからない。だからもっと周りの大人がしっかりしてあげないと、と本当に思います。自分にも子どもが3人いますし、引退後育成世代の指導をすることになったら、そういうことをちゃんと話してあげたいです。自分のデビューについても当時は何も思わなかったけど、今になって早すぎだろって思ったりもしますし」 ―一方で、トップで戦える能力があったことも間違いない。 「そうですね、評価してくれた周りにも感謝です。15歳をデビューさせちゃおうなんてアイディアは、オジー(オズワルド・アルディレス、当時の東京V監督)と唐井(直)さん(当時の東京V強化部長)がいなかったら実現していなかったと思います」 ―当時、中3から大人とプレーした時期は苦しかった? 「楽しかったですね。俺は普通にやってたし。で、良い先輩、怖い先輩たちがいてちゃんとビシバシいかれたし。よくあんな15歳の生意気なガキを仲間に入れて一緒に飯とか連れてって面倒見てくれたなって。本当に感謝しかないです」 ―選手として、もう一度レベルをあげて勝負というのは考えません? 「それも目指してます。台湾で活躍して、それからマレーシアとかタイとかベトナムとかインドネシアとか、サッカーが盛り上がっている東南アジアも魅力的かなって」 ―この冬、若い頃の世代別代表などで一緒にプレーした選手が多く引退しました。 「俺もプロ生活20年目でなんですけど、やっぱ20年目でピシッとやってもうやめようかなっていうのもちょっと頭にあって。子どもたちとサッカーしたいし、膝がボロボロで歩けなくなるぐらいまではやりたくないんです。でも続けたほうがいいのかな?まだ、いろいろと考えています」