2024年の「最も普通じゃない積荷」!? DHLが今年の珍しい配送5件を公開!
ハゲワシの大移動
絶滅の危機に瀕している動物の保全のため、画期的な輸送が2024年1月に行なわれた。DHLは163羽のケープハゲワシとコシジロハゲワシを、南アフリカのプレトリア近郊のリハビリ施設から、同国東ケープ州にあるシャムワリ野生生物保護区に移送した。 絶滅の恐れがある鳥たちが、人間との接触を最小限に抑えながら野生で繁殖できる環境を整えるために、様々な非営利団体がこの活動を支援した。移動距離にして約1000kmに及ぶこの輸送は、これまで行なわれたハゲワシの移送プロジェクトとして最大規模だ。 DHLは34トンのトラック2台と、サポート・警備車両5台を使用した。50名を超えるボランティアが約3時間をかけて貴重な鳥類をトラックに積み込み、18時間の旅はスムーズに進んだ。この取り組みはハゲワシの個体数を回復させるためのより広範な取り組みの一環だという。
日本にシンフォニーを届ける
英国を代表するオーケストラの一つ、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の日本ツアーが2024年9月に行なわれた。世界的なオーケストラの楽器輸送は、非常に複雑な輸送だ。 コントラバス、チェロ、ティンパニ、ハープなど約60の貴重な楽器を、英国から静岡県の「アクトシティ浜松」までDHLが輸送した。空路と陸路、合計9500kmの旅路は綿密な計画に基づいて行なわれ、たとえば木製の楽器の反りや割れを防ぐため常に摂氏17~21度の温度を保つ必要があったほか、衝撃吸収用のケースも特注した。 タイトなスケジュールにもかかわらず、すべての楽器が完璧な状態で時間通りに到着し、浜松で始まったツアーは、名古屋、大阪を経て東京で完結した。
コンテナ11台の「希望」
病院を輸送する?これは、実際に可能だ。2024年2月、DHLは世界で初めて「心臓クリニック」を太洋を超えて輸送した。ドイツのブレーメンからエルサルバドルのザカミルまで9000km以上の距離がある。 ドイツの非営利団体が開発したこのクリニックは、先進的な医療施設が不足している地域で、先天的な心臓疾患のある子どもたちに希望を届けている。 輸送用に11台のコンテナで構成され、海上と陸路を移動することができる。施設のセットアップは15日で完了し、国際的な心臓外科医がエルサルバドルの子どもたちに無料の手術を提供した。その後、DHLはクリニックを東アフリカのブルンジに運び、そこでミッションを継続している。