柴咲コウが演じる大河ドラマ「井伊直虎」ってどんな人?
8月25日、NHKが2017年の大河ドラマの概要を発表した。「おんな城主 直虎」というタイトルで、柴咲コウさん(34)が、戦国時代の女性領主「井伊直虎」を演じる。「ガリレオ」「信長協奏曲」など数々の人気ドラマに出演した柴咲コウさんが主人公を演じ、「仁ーJINー」「天皇の料理番」「ごちそうさん」などを手がけた森下佳子さんが脚本を書くとあって、今から期待が高まる。 でもそもそも、柴咲さんが演じる「井伊直虎」とは、誰なのか。直虎の人生を辿ると、先の見えない戦国時代に、波瀾万丈の人生を生き抜いた人物だったことが見えてくる。
家老の密告で“いいなずけ”と離ればなれに
井伊直虎は駿河の大名・今川義元の家臣、井伊直盛の一人娘として、遠江国井伊谷(静岡県浜松市)で生まれた。直盛には娘の直虎以外に子はなく、年下の従兄弟・亀之丞と直虎を結婚させて婿養子にして家を継がせようとしていた。亀之丞は、直虎の幼い頃からの”いいなずけ”だったのだ。 ここで事件が起きる。井伊家の家老がこの縁談を気に入らず、今川義元に亀之丞の父が謀反を企てていると嘘の報告をし、これを信じた今川義元が亀之丞の父を殺してしまったのだ。当時9歳だった亀之丞にも命の危険が迫り、信州(長野)の寺にかくまわれた。 少女・直虎は、幼い頃から将来を約束していた”いいなずけ”が生死も分からず行方不明になってしまい、ショックの余り、両親の制止を振り切り出家してしまった。出家した少女・直虎は親戚の和尚のもとに預けられ、「次郎法師」と名づられけた。
“いいなずけ”帰郷するも、別人と結婚した上、殺される
事件から10年が経ったある日、亀之丞の父を殺害させた家老が病死したことで、行方不明だった”いいなずけ”の亀之丞が信州から帰ってきた。亀之丞は名を直親と改め、次郎法師の父・直盛の養子となった。しかし、次郎法師は出家してしまっていたので、かつての”いいなずけ”とは結婚できず、彼は別の女性と結婚してしまった。 ここでまた、井伊家に事件が起こる。父・直盛が桶狭間の戦いで、織田信長に討たれ、主君・今川義元とともに戦死してしまったのだ。混乱に乗じて、今川家支配下にあった三河(愛知県東部)の領主・松平元康(後の徳川家康)が今川家から独立した。