農業の面白さと、生産の現場のリアルを伝えたい!和歌山の料理人・石井佳奈氏の本は食にまつわる仕事の人必見!
コロカルニュース
■農家の代わりに農業の面白さと、生産の現場のリアルな話を伝えたい 滋賀県に生まれ、「生産者の近くで料理がしたい」という想いで2018年に和歌山に移住し、2020年にケータリング専門〈ozzkitchen〉を岩橋(イワセ)地区に開業した石井佳奈さん。農家から直接仕入れるオーガニック野菜を中心とした“身体が喜ぶお料理“を提供しています。 【写真で見る】農家の方の代わりに、農業の面白さと生産の現場のリアルな話を伝えたい、という思いから本の出版を決意。 生産者とのつながりを生かして「一般の方も地元のオーガニック野菜を気軽に買えるお店をつくろう」と2022年にはローカル食品店〈フードセンターイワセ〉を開店。そして今回「日々の畑仕事が忙しい農家さんの代わりに、農業の面白さと、生産の現場のリアルな話を伝えたい」という想いから、新たに本の出版を予定しています。 農家の方は、作物をつくることで消費者の食を支え、私たちの身体をつくっています。さらに地域の伝統や風習を受け継ぎ守っていくことで、その土地の景観を保つことまでもが仕事です。自然が相手の農業は、同じ作業をしていても、毎年同じようにはいかないことばかり。そのため農家の方は日々研究と努力を重ね、おいしい作物をつくる工夫を惜しみません。農家の方々が集まると、自分の畑をアップデートするため、情報を交換し、いつまでも農業の話がつきません。しかし、一般家庭までその努力が伝わっているかというと、そうではない。 当たり前のように、年中おいしい野菜が手軽に手に取れる時代。スーパーで野菜が「商品」になったとき、誰もその農家の方の努力や、店頭に並ぶまでの苦労や工夫、喜びなどは伝えていません。 その上、市場の需要と供給のバランスによって末端価格は激しく変動し、数十円の値上がりでも野菜は高いと文句を言われることもあります。 「私たち消費者はもっと自分たちが食べるものがどうやってできているのか、誰のおかげで毎日おいしい野菜が食べられるのかを知るべきだ」と石井さんは考えました。 農家の方は日々の畑仕事が忙しく、発信する時間が取れない。消費者も仕事や家事に忙しく、畑に話を聞きに行けない。「それなら、代わりに農業の面白さと、生産の現場のリアルな話を伝えたい」と石井さんは本の出版を決意しました。 ■「農ある暮らしのアルバム」をイメージした12章から成る新刊 新刊『ワンダフル・アグリカルチャー!』は、農業と切り離せない季節のめぐりに対応した12章から成ります。 第1章「四月」からはじまり、春夏秋冬を一周した第12章「三月」が最終章です。各章は、その月にちなんだ石井さんの人生と食をめぐるエッセイ、和歌山のこだわり農家と野菜の紹介、そしてその野菜をつかったオリジナルレシピを収録した、三層構成になっています。いろいろな角度から農ある暮らしを掘り下げる「農ある暮らしのアルバム」をイメージしています。 エッセイに加えて、食材やつくり手の写真、そしてレシピを本の中に盛り込む。そうすることで、ただ農ある暮らしを知るだけでなく、読者が地元の食材を使った料理をつくりたくなるような本を目指しています 。 また、収録されたレシピは日々の生活の中で手軽にできて、旬の食材の味を楽しむことのできる料理、紹介した農家の方の野菜を使ったオリジナルのレシピです。