【山脇明子のLA通信】これもアメリカのカレッジバスケの日常…山ノ内勇登が3度目の転校を白紙にした理由
コンディションを整え、多才性をアピールしたい
学校探しは振り出しに戻った。しかし自らの向上に努める日々は変わらない。 その一歩が、今月20日から始まる男子日本代表の第1次強化合宿(ディベロップメントキャンプ)。山ノ内は、同合宿に向けて待ち切れない様子で、以下のように話した。 ――昨年はラドフォード大学の山﨑一渉選手と二人でディベロップメントキャンプのメンバーとして第1次強化合宿に参加しましたが、今季も参加することをどのように思いますか? 山ノ内 とてもうれしいです。でももっと体調を整えなければなりません。今季(2023-24シーズン)途中で股関節唇損傷を負って、手術こそ免れましたが3週間ほど前からやっと動けるようになりました。ジャンプができるようになったのもつい最近です。キャンプが始まるまでになんとか体調を戻してコーチたちに良い印象を与えたいです。 ――昨年の同合宿で学んだことはどんなことですか? また自らのどんな能力を持ち込めると思いますか? 山ノ内 もっとシュートを打つことです。シュートが決められなければ、代表チーム入りはできません。3ポイントシュートの練習を積んできたので、決められるところを見せたいです。あと、僕は高さだけでなく多才性を持ち込むことができます。ガードにスイッチして守ることができますし、ポストで守ることもウィングで守ることもできます。だからもし僕が代表チーム入りできたら、多くの面で助けることができます。 ――会うのを楽しみにしている選手はいますか? 山ノ内 (ハワイ大学のジェイコブス)晶かな。今季はじめにハワイで行われたトーナメントで対戦した時に会って、少し話をしました。彼とは一緒にプレーしたことがないので、とても楽しみです。転校先を探している時、僕にハワイ大を勧めてくれました(笑)。彼はとてもいい選手。シュートもできるし、ドリブルもできるし、とても背が高い。ポテンシャルにあふれている。すごくいい選手になれる素質があります。あとはトロイ・マーフィー(現富山グラウジーズ)。彼とは同じロサンゼルス出身で、二人とも日本人とのハーフだったり、いろいろ共通点があったことで、インスタでお互いにフォローし合うようになりました。彼が招待されて僕もうれしいです。あと、お兄さん(テーブス海:現アルバルク東京)と一緒にプレーしたこともあり、ボストンカレッジに進学する(テーブス)流河とやれるのも楽しみです。同じ世代の選手が多く、とてもワクワクしています。日本代表の将来は明るい。新たなジェネレーションはすごく良くなると思います。 ――日本A代表でいつごろからプレーしたいと考えていますか? 山ノ内 今すぐにでもプレーしたい。とてもいい選手である先輩がたくさんいますが、負けないように頑張ります。 ――日本代表の大先輩というと渡邊雄太選手がいますが、彼が日本に帰りBリーグでプレーする決断を下したことに関しては、どのように思っていますか? 山ノ内 彼は素晴らしいNBAキャリアを送ったので、今度は日本でどんなことをするのか興味があります。彼は僕と同じぐらいのサイズですし、学べるところがたくさんあるので、よくプレーを見ています。シューティングはもちろん、ディフェンスもそうですし、彼はポイントガードのようにドリブルもできる。いろんなことができます。個人的には、またNBAに戻ってきてくれたらいいなと思っています。 文=山脇明子
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