北の国からはるばる飛来、渡り蝶・アサギマダラ 羽に「ハコダデ」の文字
京都府福知山市正後寺の市田眞一さん(66)宅に、渡り蝶・アサギマダラが飛来した。羽には移動状況などを調査するために書かれた「ハコダテ(函館)」の文字がマーキングされていて、小さな体からは想像できない距離を飛んで来た蝶に、発見した市田さんは驚いている。 アサギマダラは浅葱色(薄い水色)のまだら模様が羽にあることから、その名が付けられた。春から夏にかけて日本列島を北上し、秋ごろになると沖縄や台湾に向かって南下。生涯で数千キロもの距離を旅する。 マーキングは、全国の個人、団体が捕獲した地名などを羽に書き、再捕獲された情報を元に、蝶の移動ルートや距離、時期などを調査するために行われている。 市田さんは10年ほど前に両丹日日新聞の記事でアサギマダラを知って興味を持ち、蝶が飛来するフジバカマを市内で栽培する人から株分けしてもらって庭に植えた。 5年ほどするとアサギマダラが飛んで来るようになり、以降はほぼ毎年飛来している。 今年は例年よりも半月以上遅い10月20日ごろから姿を見せ始め、2、3匹が一度に飛来した日も。見掛ける度にカメラで撮影していたが、あとからデータを見返していると、羽に文字が書かれている個体を発見した。 羽には「ハコダテMT106」と書かれていて、市田さんは「インターネットで調べると東北などでの目撃情報もあり、本当に北海道から飛んで来たんだと驚きました。このあとさらに旅を続け、南の島まで行くかと思うとロマンを感じますね」と話していた。