ウォシュレットの使いすぎは雑菌繁殖の原因に?「女性のデリケートゾーンはどこまで洗うべき?」正しい洗い方を産婦人科医が回答
女性の体ならではの、ちょっとした悩みや疑問。病院に行くほどでないけど、専門家の意見を知りたい! 【写真】原因はそれぞれ!7種類のデリケートゾーンのニオイ 今回は女性の「デリケートゾーン」について産婦人科医が回答。 ▼産婦人科医・上野啓子先生 東京医科大学産科婦人科学教室病院助教。医学博士、産婦人科医の指導医、生殖医療専門医、女性ヘルスケア専門医などを取得し、不妊治療や女性医学を得意とする。
Q、デリケートゾーンは、どこまで洗うといいのでしょうか。正しい洗い方は?
A、 大陰唇と小陰唇は薄い皮膚と捉えて、石鹸の泡で優しく洗いましょう。一方、腟内は粘膜で自浄作用が働くため、洗う必要はありません。 デリケートゾーンの大陰唇(内腿の付け根に左右一対に広がる、ふっくら厚みのある部分)と小陰唇(大陰唇の内側にある薄いヒダ状の部分)までは皮膚なので、汗や汚れはつきものです。 特に、大陰唇と小陰唇の間のくぼみに垢が溜まりやすく、それが原因で痒みが発生することも。顔や体と同じように、きちんと洗いましょう。 ただ、デリケートゾーンの皮膚は非常に薄いため、石鹸やボディソープを泡立てて優しく洗うのがいいでしょう。肌が弱い人は低刺激の石鹸を選ぶと安心です。デリケートゾーン専用のソープは必須ではありませんよ。 それに対して腟は粘膜なので、洗う必要はありません。というのも、腟内は酸性に保たれていて、それ以外の雑菌の侵入や繁殖を防ぐ“自浄作用”が働いています。下手に洗うことでそのバリアが崩れ、むしろ雑菌が繁殖してしまうなど逆効果になる可能性もあるのです。 婦人科で診察していると、頻繁に腟内洗浄をされている患者さんがいますが、それによって膣内環境が乱れては本末転倒なので、不要です。同じ理由で、トイレ後のビデもしなくていいと考えています。 どうしても臭いや痒みが気になるというときは、なるべく腟内に水が入らないように、ビデを水圧弱めで使うのは構いませんが、原因がカンジダや細菌だった場合は洗っても治りません。症状が長引いたり、ひどいときは婦人科を受診し、必要ならば抗真菌薬や抗生物質を処方してもらいましょう。