角田裕毅、開幕直前の感触は「7番目か8番目」 F2初参戦の宮田莉朋は「いやぁ、なんか難しいですね」
【暗中模索だが一発の速さには自信と手応えあり】 「いやぁ、なんか難しいですね。僕はレースって『一発ドン』という速さよりも安定して速く走ることが大事だと思ってやってきたんですけど、F2では『ここは攻め時』『ここは守り時』っていうその差が難しいなと感じます。 今攻めると、その次に必要になった時に攻められないかもしれないし、その判断が100パーセント掴みきれていない感じはあります。プッシュしすぎてもダメだし、守りすぎてもダメだし、その瀬戸際の見極めですね。 チームメイトと比較すると、彼は去年1年間F2に乗ってきているので、『ここを速く走るとこうなるんだな』というのはわかりました。テストが少ないだけに、そこはレースを重ねてこの1年で積み重ねていくしかないと思っています」 そんな暗中模索のなかでのシーズン開幕だが、それでも宮田は高い目標を掲げている。それだけ一発の速さには自信と手応えがあり、レースでの攻防やタイヤマネジメントにも日本をはじめ、さまざまなレースでの経験をもとに対処していけるという自信があるのだろう。 「現実的な目標としては『トップ5に入れればいいな』というのはあります。もちろん優勝が目標ですし、チャンピオンを獲りたいという目標に変わりはありません。それが現実になるかどうかはわかりませんけど、アブダビの時よりは現実味は増してはいますし、そういう目標に対して少しずつ近づいているのは確かです。 テスト最終日のアタックは、まとまったというか、自分なりに帳尻を合わせて(攻める度合いの勘所は)『あぁ、ここなんだな』っていうところで終わったので、それをずっと継続していければ、そのくらいの位置にはいられるのかなという感覚ではいますね」 F1の世界で上位ドライバーのひとりとして存在を確立しようとしている角田裕毅と、日本の王者として世界に飛び出し、さらなる飛躍と日本のモータースポーツへの評価向上を担う宮田莉朋。ふたりの日本人ドライバーの重要な2024年シーズンがいよいよ開幕する。
米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki