「豚は加熱するほど硬くなるはウソ?」知ればコスパよく幸福度UP!食の専門家が教える、豚肉の美味しい調理法と保存のコツ
肉じゃが・豚キムチ・豚汁など、どんな料理でも活躍してくれる豚肉。便利ではありますが、硬くなりがちで調理が難しいと感じる方も多いかもしれません。そこで今回は豚肉の美味しい調理法について、食の専門家であるスギ アカツキさんに聞きました。 ⇒【写真】豚肉を美味しく食べることで幸福度がアップ!食のプロが教える調理法と保存のコツの詳しい画像を見る(全3枚)
豚肉を美味しく食べることで幸福度がアップ
日本において一般的に鶏・豚・牛の中では「牛肉が一番美味しい!」と感じる方が多いと思います。実際最も高価なのは牛肉です。 「そうですね。でも料理人の方に聞くと『一番好きな肉は豚肉』と答える方もたくさんいます。なぜならどんな食材とも相性が良いから。野菜とも合うし、果物だって“パイナップルと酢豚”が有名です。炒めても似てもお鍋にしても美味しいけど牛肉よりも安価に手に入りますよね。なので豚肉を上手に使いこなすことで私たちの食事のクオリティが上がると思いますよ!」(スギ アカツキさん) 確かに、どんなに高い豚肉でも牛肉より高額なものは見たことがないかもしれません。 「たとえば、紀伊国屋で売られている高級豚肉に『梅山豚(メイシャントン)』がありますが、100グラム500円ぐらい。脂身がおいしく、ポークソテーや生姜焼きは絶品に。牛肉よりもリーズナブルに楽しむことができます。このように良い豚肉を知っているとコスパよく幸福度を上げることができますよね」(スギ アカツキさん)
豚肉を硬くしないためのコツ
とはいえ豚肉を買えばなんでも美味しいわけではなく、上手に調理することも重要です。 「調理方法によって豚肉はさらに美味しくなります。豚肉は牛肉や鶏肉のようにランクによる味の違いは感じづらいため、『安いからまずい』ということはあまりないと思います。豚肉が美味しくないことがあるとすれば、ほとんどが焼きすぎによるものです。 豚肉は加熱すると硬くなると思われているかもしれませんが、60℃以上75℃未満では豚肉に含まれるたんぱく質やコラーゲンが凝固・収縮して硬くなってしまいます。逆に75℃を超えるとコラーゲンが熱分解しゼラチン化して柔らかくなります。そのため、温度をしっかりコントロールすることは大切です。計るのが面倒な場合は低温調理器や温度設定のできる調理器具を使うと良いですね」(スギ アカツキさん) 温度管理が大切なのは理解できましたが、ちゃんと中まで火が通っているのか不安になってしまうこともあります。 「食中毒を防ぐためには中心部を75℃以上になるようにして1分加熱すれば大丈夫だと言われています。豚肉や牛肉は肉の表面に菌が付着していることがあるため、表面は焼くなどしてしっかり加熱することが重要です。むやみに加熱し続けると、中まで火が通ったとしても美味しくなくなってしまいます。 たとえばこれからの季節によく出てくる冷しゃぶですが、加熱しすぎてぱさぱさになっている人が多い気がしますね。沸騰してから火を止めたお鍋にさっとくぐらせて、冷たすぎない水で洗い、キッチンペーパーの上に置くとちょうどよくふわふわに仕上がりますよ」(スギ アカツキさん)