【陸上】100mH田中佑美が自己新の12秒83 中島ひとみ初の12秒台、7人目の突入/全日本実業団
◇第72回全日本実業団対抗選手権(9月21日~23日/山口・維新百年記念公園陸上競技場)3日目 100mH福部真子が自己4番目の12秒81!五輪後は引退よぎるも「アジア記録だけを目指して」/全日本実業団 全日本実業団対抗選手権の3日目が行われ、女子100mハードルは日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)が12秒81(+1.9)をマークして優勝。この記録は自己4番目&パフォーマンス日本歴代4位の好記録だった。 2位にはパリ五輪代表の田中佑美(富士通)が12秒83で入り、日本歴代2位の自己記録を更新。「地味な自己新」と苦笑い。「後半は今やりたい脚を引き込むような動きを入れて最後は崩れました」と振り返り、「今回が一番良いコンディションだったので、すべてが噛み合えば実力以上の記録、12秒6台、5台が出れば最高だと思っていた」と話す。 五輪では準決勝の隣で走ったポーランド代表の12秒5のリズムを見て「この技術ができれば」と一つの目安を作ることができた。この冬は「ハードルを低くしたり、インターバルを縮めたりして、技術的に体験できるように工夫していきたい」と具体的なイメージを持っていた。 3位に入った中島ひとみ(長谷川体育施設)は、自身初、日本女子7人目の13秒00切りとなる12秒99をマーク。タイムが出た際は歓喜の声を上げ、ライバルたちからも祝福を受けた。 「“神風”が吹いた中で運が良かった」と謙遜するが、今季は13秒0を複数回出しており、「条件がそろえばいつか出るだろう」と手応えはあった。それでもなかなか出せず、「もしかして出ないのかな」と見えない壁にも苦しんだという。 福部と同じ1995年度生まれの29歳。2010年には全中100mハードルを制しているように、同世代のトップハードラーの1人だった。 兵庫・夙川学院高時代は2年時に13秒85を出し、国体や日本ユース選手権優勝など果たしたが、インターハイは3連覇の福部に屈した。同じ兵庫出身の宇都宮絵莉(長谷川体育施設)にあこがれて園田学園女大へ。しかし、故障などもあり日本インカレのタイトルは手にできなかった。 ただ、それでも「宇都宮先輩のように一緒に頑張ってくれる存在がいたからこそ頑張って来られました」。この日、今季で引退する宇都宮から「絶対に(12秒台を)見せて」と声をかけられてスタートに立ったという中島。あこがれ続けてきた先輩への最高のはなむけとなった。 「次はコンスタントにこのタイムを出せるように。やっぱり勝てていないので、今日の喜びは今日だけにして、明日からまた一生懸命、練習したいと思います」と涙をこぼしながらも笑顔を見せた。
月陸編集部