ウクライナ、ロシア領土にミサイル空爆…プーチン大統領は核脅迫(2)
改正された核ドクトリンではまた、ロシアの主権を脅かす在来式の武器攻撃、ロシア領土を狙った敵の航空機やミサイル、ドローンの大規模攻撃に対しても核対応を考慮できるようにした。同盟国であるベラルーシを攻撃してもロシアに対する攻撃と見なして核で対応することができるようにした。従来は核攻撃を受けたり、首都モスクワが危険に陥るなど「国家存立が脅威を受ける場合」に限って核報復を許可していた。 しかし今回の改正でミサイルやドローンなどを利用した空爆だけでもロシアの被害規模が大きいと判断される場合、核兵器の使用が可能になる。米時事週刊誌ニューズウィークは「同盟国ベラルーシの攻撃に対する核対応は北大西洋条約機構(NATO)の『加盟国に対する攻撃はすべての加盟国に対する攻撃』ドクトリンをまねたもの」と分析した。 プーチン大統領は2022年2月24日にウクライナを侵攻した後、核ドクトリンの修正を西側の圧迫に対する脅威手段として活用してきた。5月には「核ドクトリンは生きた道具」と警告したことに続き、9月には「核抑制分野の政策は現実に合うように調整されなければならない」として核ドクトリン改正を宣言した。 だが、当時は米国がウクライナにロシア本土を打撃する長距離武器の使用を承認していない状況だった。ロイター通信は「今回の核ドクトリン改正は米国製長距離ミサイルの発射をウクライナに許容したバイデン政府に対するプーチンの返事」と評価した。 ◇ロシア・ウクライナ戦3年…死傷者100万人 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこの日、欧州議会特別本会議でビデオ演説を通じて「ロシアに派兵された北朝鮮軍が10万人に増える可能性がある」と主張した。ゼレンスキー大統領はプーチン大統領に対して「彼は勝利に集中していて時間が経過するほど状況は悪化する」とし、ロシアの石油販売に対する制裁を通じて軍備調達能力を弱めるべきだと述べた。 ロシアが「特殊軍事作戦」という名前でウクライナを侵攻して1000日を迎え、両側に莫大な被害が発生した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は9月、ロシアとウクライナで約100万人の死傷者が発生したと推算した。ウクライナの国連人権監視団はロシアの侵攻以降、ウクライナに民間人死傷者3万6357人が発生(8月31日基準)したと伝えた。ウクライナ検察は戦争で死亡した子どもは589人だと明らかにした。 何よりも軍人被害が大きかった。今年2月、ゼレンスキー大統領は3万1000人のウクライナ軍人が死亡したと明らかにした。西側は人海戦術を広げるロシア軍の死傷者は70万人水準と推算している。 戦争以降、ウクライナの出生率は約3分の1に減った。18日基準でウクライナ難民は678万5900人で、国連はロシア侵攻以来、ウクライナ全体人口の4分の1(1000万人)が減少したと推定した。ロシアはウクライナ領土の5分の1を占領・合併したと主張している。ギリシャ領土とほぼ同じ広さだ。