トランプかハリスか、いよいよ「大統領選」へ…一見「好調」にみえる11月の米国株市場にひそんだ「波乱要素」
11月の米国株アノマリー
1950年~2022年4月までのS&P500指数の月次パフォーマンスを比較すると、11月は+1.7%と1年で最も株価の高い月です。そのため強気相場の時期といえます。 ところが歴史的に、米大統領選挙を控える年の株式市場に限って言えば、不安定な動きを見せることが多いとも言われます。しかし、今年は例年とは異なり、9月から10月にかけて米国株が堅調に推移していることを念頭におくべきでしょう。 つまり、大統領選挙のリスクを警戒しながらも、相場が堅調であるため、通常年末にかけて株価が上昇する「年末高」アノマリーが今年は発生しない可能性も浮上しています。特に景気に敏感なセクターの好調が続く一方で、長期金利の急上昇により株式の割高感が度々指摘されている点には注意が必要です。
おわりに
米国経済の堅調な指標や決算シーズンの途中経過を通じて、米株市場が多くの注目と安定を保ちつつある様子が見えてきました。特にテスラの株価がさらなる上昇の機運を見せたことが市場にポジティブな影響を与えており、米国株全体にも好影響を及ぼしています。この流れが継続することを期待しつつ、冷静な視点を持って市場を見守りたいところです。 また大統領選やFOMCの政策動向など、今後も市場を左右する不確定要素は少なくありません。引き続きインフレや政策金利の行方に注視しつつ、柔軟な対応が求められるでしょう。
鈴木 林太郎(米国株ライター)