専門医に聞く、夏の快眠と注意すべき不眠の症状。
真っ暗より、光が入るほうが目覚めはスムーズ。
夜間、街灯の光などを遮ってくれる遮光カーテンは寝室によく使われるが、閉め切って寝ている人は、少し開けて寝たほうがすっきり目覚められる。 「朝日が昇るに従って明るくなる部屋のほうが自然に起きられますし、起床時の眠気や疲労感が軽減されます。夏は日の出が早いので、足元だけ少し開けるなどいろいろ試してみてください。そして睡眠ホルモンのメラトニンの原料となるセロトニンは、太陽光を浴びることでも分泌されますから、起きたらカーテンをしっかり開けましょう」 また、朝が来たというサインを体に送るためにも、朝食は抜かずに食べることが大切だという。 「メラトニンを作るためにはバナナ、牛乳、大豆、卵、魚などに多く含まれる、アミノ酸のトリプトファンが必要。日光に当たることにより吸収されたトリプトファンがセロトニンとなり、そのセロトニンが夜の適切なメラトニンの生成につながっていきます」
幸せを見つける練習をしてリフレッシュして目覚めよう。
ベッドに入ったら今日の嫌だったことや明日の心配が浮かんできて、眠れなくなった経験は誰しもあるはず。 「考えないようにしましょうと言っても考えてしまうものですから、書き出すことをおすすめします。書いたら読み返したりせず、葉っぱに乗せてさっと水に流すイメージで捨てましょう。そして今日プラスだったことを思い浮かべてください。たまにひとつもありませんという方がいますが、誰もほめてくれないのなら、自分で自分をほめてあげましょう。食事を作ってえらかった、事故に遭わないでよかったなど、3つ~5つくらいは出てくるはず。なかなか見つからない人は見つける練習を」 ほっとすることや感謝できることを思い浮かべると幸せな気持ちになり、自分を寝かしつけることができる。また、朝の目覚めに対して高い理想を抱かないことも大切だそう。ドラマのように起きた瞬間から元気いっぱいというのは幻想ですよ、と渋井さん。 「朝日を浴びて水を飲み、朝食を食べ、予定があるからと出かける準備をするうちに、段々と目覚めるものなのです」