6年ぶり海外GⅠ未勝利でも…日本馬の〝強さ〟印象付けたフォーエバーヤングの今後に期待
【TPC秋山響の海外競馬解析】史上最多となる延べ101頭の日本調教馬が海外で出走した2024年。残念ながら6年ぶりの海外GⅠ未勝利という結果に終わったが、フォーエバーヤング(牡3=父リアルスティール・矢作)のGⅠケンタッキーダービーにおける走りは強く印象に残るものだった。 サウジアラビアのGⅢサウジダービー、UAEのGⅡ・UAEダービーと中東で2か国を転戦して勝利した後、さらにアメリカに渡るというハードなスケジュールで挑んだケンタッキーダービー。最後の直線では内にヨレるシエラレオーネ(2着)に何度もぶつけられる不利を受けながら、闘志あふれる走りを見せ、内をうまく立ち回って優勝したミスティックダンからハナ+ハナ差の3着。米3歳ダート王者を決める、つまりは世界の3歳ダート王者を決めるレースで優勝まであとほんの少しというところまで迫った。 正直なところ、スキーキャプテン(1995年=14着)から始まった日本調教馬によるケンタッキーダービー挑戦の歴史をリアルタイムで体感し、アメリカのダート馬の強さを痛感してきた身からすると、レース前の段階では、日本の3歳馬がケンタッキーダービーで勝ち負けするのはまだ難しいだろうと思っていた。しかし、終わってみればほとんど勝ちに等しい内容。不明を恥じるとともに、日本の馬は本当に強くなったという思いを強く抱いた。 フォーエバーヤングはその後大井のジャパンダートクラシックに勝ち、11月には再びアメリカで走って、古馬を含めた大一番であるGⅠ・BCクラシックでもシエラレオーネの3着に好走。改めて、世界最高クラスのダート馬であることを示した。29日のGⅠ東京大賞典、そしてその先にある来年の走りも楽しみだ。
東スポ競馬編集部