フォーミュラEの勝敗を分けるエネルギー残量。ライバルに知られないよう、複雑な暗号を多様……状況を把握できるのは、実はドライバーだけ!
フォーミュラEのレース中のエネルギー残量は、中継では時折開示されるものの、基本的には各マシンのドライバーしか知り得ない情報であるという。それをライバルチームに知られないようチームに伝えるべく、実に高度な暗号が使われているという。 【動画】東京オートサロンで行なわれた日産のトークショー。フォーミュラEの話題も満載! 2024年が明けて2週間。FIAの世界選手権シリーズの先陣を切って、フォーミュラEの第10シーズンが今週末に開幕を迎える。その初戦は、メキシコシティePrixである。 フォーミュラEは、完全EVのフォーミュラカーレースであり、その勝敗はもちろん速さも重要ではあるが、エネルギーマネジメントをいかに効果的に行なうことができるかどうかで左右されることが多い。限られたエネルギー量をいかにつかって、フィニッシュに辿りつくのか……各チームはそれに知恵を絞っている。 特にレース終盤になると、各車のエネルギー残量が重要になってくる。このエネルギー残量は、国際中継では時折画面上に表示されることもあるが、実は各チームは、ライバルチームのエネルギー残量はもちろん、自分たちのチームのマシンのエネルギー残量も把握できないのだという。 マシンのエネルギー残量を知ることができるのは、そのマシンをドライブしているドライバーのみ。その情報は、ドライバーが無線を通じてチームに伝達しているわけだが、数字をそのまま伝えてしまうと、ライバルに状況を知られてしまい、戦う上で不利な立場に立たされる……それを避けるべく、ドライバーは暗号を使い、チームに伝えているという。 東京オートサロンの日産ブースでのトークショーに登壇した、日産フォーミュラEチームのチーフ・パワートレイン・エンジニアの西川直志は、トークショーの中で次のように明かした。 「エネルギー残量は、ドライバーしか知り得ない情報です。そこは他のチームにバレないように、暗号化してチームのラジオで伝えるということになっています」