歯周病を放置していたらまさかの事態に…「心筋梗塞」「糖尿病」のリスクを減らし、健康寿命をのばすために不可欠なある習慣とは
◆徹底的な「歯磨き」で心筋梗塞や糖尿病のリスクを減らす 歯磨きをしっかりすることも、思いがけず健康効果が高い日常習慣です。 じつは、日本人の40歳以上の約半数の人が歯周病にかかっているとのデータがあります*1。歯周病は、放置すると多くの合併症を引き起こす怖い病気です。 たとえば、歯周病の原因となる「歯周病菌」は、口のなかの血管から全身の血管に回り、巡り巡って心筋梗塞のリスクを高める場合があります。 また、歯周病菌は体内で炎症を起こし、血糖値をコントロールする「インスリン」の力を弱めて血糖値を上げてしまうこともあります。 血糖値の上昇が行き着く先は、糖尿病です。そうなってしまうと、あとは負のスパイラル。糖尿病が免疫機能を下げると歯周病がさらに悪化し、悪化した歯周病が糖尿病をさらに悪化させます。歯周病を、たかが歯の病気とあなどってはならないのです。 以上のことからも、歯磨きの重要性を理解していただけたかと思います。歯磨きに加えて、歯の細かい部分の汚れを落とすためのフロス(糸ようじ)や歯間ブラシも使うと、歯周病予防の精度はさらに上がります。しかし、自助努力でできるのはここまでです。 *1 厚生労働省 歯科疾患実態調査 2016年版
◆歯周病を完全に予防するには 歯周病を完全に予防したい人は、徹底的な歯磨き習慣を継続したうえで、定期的に歯科検診に行きましょう。すでに歯周病になってしまっていた場合は、早期発見と早期治療が可能です。 また、歯科衛生士さんに歯垢をとってもらうことも歯周病予防の一環です。 歯科検診の頻度は、できれば半年に一度、最低でも1年に一度が目安です。 歯科検診はついついあと回しにしてしまいがちですが、全身の健康を維持するうえでもかなり重要なのです。 ※本稿は、『最新予防医学でここまでわかった 50歳からの病気にならない最強の食生活』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。
森勇磨
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