成長できていない…? レンタル先で苦しんだ逸材Jリーガー(4)三笘薫2世との呼び声も…。J2で試合に絡めず
「可愛い子には旅をさせよ」ということわざがあるが、サッカー界では若手選手を成長のために期限付き移籍させることが多い。しかし、すべての選手が順風満帆なキャリアを送ることができるわけではなく、才能豊かな逸材が武者修行先で伸び悩むことも少なくない。今回はレンタル先で苦しんだJリーグの逸材選手を紹介する。※スタッツは12月17日時点のデータサイト『transfermarkt』を参照
MF:名願斗哉(みょうがん・とうや) 生年月日:2004年6月29日 保有元クラブ:川崎フロンターレ 期限付き移籍先クラブ:ベガルタ仙台 今季リーグ戦成績:16試合0ゴール0アシスト 川崎フロンターレが保有するMF名願斗哉は、確実に成長を続けている。ただ、十分な出場機会を確保できていたかと言われると、そうではないだろう。 現在20歳のサイドアタッカーは、2023年に履正社高校から川崎Fに加入した。才能ある若手の目利きに定評がある川崎Fが獲得に動いたことからも分かる通り、名願が秘める潜在能力の大きさは計り知れない。 高校3年時の全国高校サッカー選手権大会では、履正社高校が3回戦敗退となったのにもかかわらず、鮮烈なインパクトを残したことで「優秀選手」の1人に選ばれており、「三笘薫2世」との呼び声も高い存在として注目された。 しかし、そんな名願でも川崎Fではほとんど出場機会を得られなかった。昨季はYBCルヴァンカップと天皇杯にそれぞれ1試合ずつ出場したのみであり、リーグ戦では1試合もピッチに立つことはできず、今年2月からベガルタ仙台へ期限付き移籍している。 それでも、状況は完全に好転したとは言い難い。前年よりは格段にプレータイムが増えたが、ベンチ外の試合も多く、仙台のJ1昇格が懸かったリーグ終盤戦にはほとんど絡めず。リーグ戦ラスト10試合で出場したのは第31節・藤枝MYFC戦(2-3)のみである。 ベンチ外、またはベンチを温める試合が続いていた名願だったが、今季は最後の最後で大仕事が回ってくる。J1昇格プレーオフ決勝という大舞台で出場機会を得たのだ。久しぶりにピッチに立ち、約25分間プレーすることができた。 残念ながらチームはファジアーノ岡山に敗れ、試合終了後に名願は大粒の涙を流していた。それだけこの試合に賭ける思いが強かったのだろう。この悔しさを力に変え、来季のさらなる飛躍に期待したい。
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