『21世紀枠』推薦の名古屋たちばな、夏の愛知大会では「私学4強」と互角 試練乗り越えた快進撃【高校野球】
日本高野連は13日、来年3月18日に兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する第97回センバツ大会の「21世紀枠」の最終候補9校を発表した。全国9地区から1校ずつ推薦され、来年1月24日に出場32校を決める選考委員会で一般選考の30校とともに2校が選ばれる。東海地区からは、今秋の愛知県大会3位で東海大会に出場した名古屋たちばなが推薦された。 夏の愛知大会は3回戦で享栄、5回戦で愛工大名電を撃破。準々決勝で中京大中京に1点差で敗れたが、「私学4強」と互角に渡り合って堂々の8強入り。秋季愛知県大会も3位校として、東海大会初出場を果たした。 チームの中核となっているのは、鈴木将吾監督(48)が「3本柱」と称している中島稜太、織田優太、石川万才(いずれも2年)の強力投手陣。4番を打つ浅井太介主将(2年)も「自分も対戦していてなかなか打てない。守備力と投手力は自信がある」と語る。 試練を乗り越えた快進撃だった。浅井らが1年時の2023年6月。線状降水帯が庄内川沿いにある名古屋市のグラウンドを襲い、水没。卒業生の家族も重機を出すなど協力し、一丸でグラウンドを復旧した。鈴木監督は「台風が来るたびにおびえて、おびえて」と河川敷グラウンドならではの厳しさを明かす。
グラウンドには照明もなく、発電機を持ち込んで照明をたき練習後の整備をすることもあった。しかし、浅井は「悪い環境とは思わない」とキッパリ。「むしろ、たくさん与えてもらっている」と感謝を口にする。部員は、学校周辺の清掃活動にも精力的に取り組む。 指揮官は「浅井頼みのところが多い」と打撃面の課題を挙げ、「周りでどんどん自分のいいところを出していける子たちの色が出てくるとこの春、夏も楽しみ」と語る。チームの底上げを図りつつ、1月24日の吉報を待つ。
中日スポーツ