【有馬記念】ダノンデサイル復活へ馬なりラスト11秒6 安田師「好きなように走らせました」
有馬記念の追い切りが18日、東西トレセンで行われた。栗東では日本ダービー馬ダノンデサイルが、CWコース単走で馬なりでシャープな伸びを披露。菊花賞6着からの巻き返しへ、態勢を整えた。 【写真】追い切り後の会見に臨む安田翔伍調教師 若きチャンピオンの誇りを持って挑む。今年の日本ダービー馬ダノンデサイルは、栗東CWコースで好気配をアピール。自ら手綱を取った安田調教師がうなずいた。 「先週の時点で馬もレースが近いことを察しているのを感じられたので、オーバーワークを避けるのを前提に、ストレスを与えず、好きなように走らせてあげました」 単走でゆったりスタートし、序盤から気負うことなく鞍上と呼吸を合わせて進む。直線に向いても手綱は動くことなく、弾むようなフットワークでシャープに伸びて6ハロン83秒2-11秒6をマークした。秋2走目の余裕を持ったローテで、心身ともにフレッシュさを漂わせた。 皐月賞はレース直前に右前肢跛行(歩き方に異常が出ること)で無念の競走除外。しかし、続く日本ダービーでは好位からロスのない完璧な立ち回りで皐月賞馬ジャスティンミラノを2馬身退け、世代の頂点に立った。2冠に挑戦した前走の菊花賞は終始内に押し込められる苦しい形でポジションを下げ、4コーナーでは後方に。6着まで追い上げるのが精いっぱいだったが、直線で見せた末脚はダービー馬の底力を感じさせた。 今回は年長馬と初対戦。ドウデュースをはじめGⅠ馬10頭の超豪華メンバーが集い、試金石の一戦となるだけに「今までにないレースの雰囲気や、経験したことのないタフなレースになると思います。ダノンデサイル自身、ペースアップに対応してほしいですが、今後に向けてもいい経験になればと思います」と挑戦者の立場を崩さない。 ドウデュースに次ぐファン投票2位の選出に「心から感謝しています」と喜びを口にしつつ、調教師の有馬記念初参戦には「ダノンデサイルが出走するレースとしての緊張感は持っていますが、僕個人としては全く意識していません。自然体で馬と向き合った結果、勝ちたいですね」と気負いはない。 伸びしろあふれる3歳のトップホース。並みいる強豪を撃破し、世代交代を告げる。(斉藤弘樹)