天皇陛下の青春の地 英オックスフォード留学【皇室a Moment】
記者:「あれはジェーン・フォンダとブルック・シールズ?」 陛下:「はい、そうです。入りましたときは、まったく壁に何もかけてなかったわけですから、自分で絵を買ってきたりとか、花を植物を買ってきたりとか、そういうことで自分の部屋を装飾するという、そういう楽しみもこの寮生活の中にはありました。(ジェーン・フォンダは)こちらに来てから映画を見まして、とてもいいと思いました」 ――陛下はご自身の好きなものに囲まれて学生生活を送られていたんですね。
◾️学生たちが親密、食事がおいしい――マートンが選ばれた4つの理由
留学の準備については、当時、駐英大使だった平原毅さんが著書に書いています。1年ほど前から準備が進められ、留学先をオックスフォード大学に決めたものの、どこのコレッジにするかはイギリスの外務大臣に相談したそうです。外務大臣は「将来の天皇になる方の勉学の地に英国を選んでくださったことに感謝する」と喜んで引き受け、マートン・コレッジが推薦されました。その理由が4つあったそうです。
①13世紀に開設された最も古いコレッジのひとつであること ②寝泊まりする学生が150人ほどと小ぶりで、学生や教授との関係が親密であること ③日本人学生が入寮したことがないこと ④これが最も大事と思いますが、「まずい」と言われるイギリスの食事にあって、学生街は特に「まずい」そうで、マートンの食堂は「おいしい」と言われていること この4つが理由だったそうです。 ――さまざまな観点から、陛下が充実した生活を送られるように考えられたんですね。
こちらが、そのマートン・コレッジの食堂です。 ――歴史が感じられる建物で、少し「ハリー・ポッター」のような世界観もありますね。 実際、映画はオックスフォードの別のコレッジの食堂がモデルになっています。陛下はマートンの食堂を毎日のように利用し、本に「おいしいと思う」と書かれています。 ――良かったですね。お口にも合ったと知って安心しました。 推薦の理由、まさにその通りということですね。 ――そして、学生生活にとって大事な勉強は、どのようにされたのでしょうか?