「男性の妊活」企業が後押し 簡易検査キットなど開発、需要増受け続々参入
「妊活」が男性にも広がってきた。2022年の不妊治療の保険適用化が後押しし、生活習慣の見直しや生殖機能の検査につながっているようだ。企業はその需要を取り込み、男性向け商品の開発や新事業を展開する。少子化対策に寄与する狙いもある。 「自宅でできる、ふたりではじめる妊活」。そんなコンセプトを打ち出すのが、ヘルスケア製品を展開する相模ゴム工業(厚木市)。子どもの産育は「カップルにとってこの上ない幸せなひととき。知恵を絞って研究を重ねていく」(大跡一郎社長)とし、19年に妊活支援に参入した。 最新製品は「スイムカウント」という簡易検査キットだ。受精しやすい元気な精子濃度を調べ、世界保健機関(WHO)の基準値と比較できる。自分の生殖機能は気になるけれど、クリニックにかかるのは気後れする─。そうした需要に応えている。 もともと、主力製品は避妊具だった。対極の事業に乗り出したのは、男性の妊活意識が高まっているからだ。営業企画室の山下博司室長は「20~30代の男性から支持されている。初めて妊活する人を応援していきたい」と話す。
神奈川新聞社