【現役東大生の中学受験】1日の勉強時間は11時間。「筑駒」合格のため、塾は辛いどころか楽しかった!
東京大学に入学して、1年が経ち2年生になりました。さんきゅう倉田です。 大学では専門分野以外の一般常識を学ぶ機会が多くあります。例えば、中学受験や進学校について。 【表】東京大学の合格者のうち、上位の出身校〈中高一貫校〉は? 今回も日本一との呼び声高い「筑駒」こと、筑波大学附属駒場中学校・高校の紹介をしています。
「筑駒」の受験
筑駒生のほとんどが中学受験で入学します。併願校としては開成中学などがあり、ぼくの友人は開成と筑駒の両方に合格し、筑駒に進学しました。 平均的な学力だけでなく授業料も異なるため、両方受かった場合は筑駒に行く人が多いと考えられます。一方で、その独特の校風から、筑駒を避けて別の学校に行く人もいるそうです。 「高校受験で、筑駒と日比谷に受かった場合に、日比谷を選ぶ人もいるんだよね。うちの雰囲気を事前に知って、合わないと考える人もいるから」 この雰囲気については、後述します。中学受験の様子を知りたい方には、『二月の勝者』(高瀬志帆 著 / 小学館)という漫画を勧めます。小学生がどれほど長い時間勉強しているか、受験がどれほど過酷か知ることができます。受験に興味がなくても、良い漫画なのでお勧めします。 この漫画で、受験日が同じ学校は当然受けられない、一つの学校の試験を複数回受けられることもあるといった受験のシステムを知りました。 筑駒の受験科目は算数国語理科社会で、算数はとくに難しいとされています。 ぼくも筑駒の文化祭で生徒が作った「筑駒中学入試予想問題」を解きましたが、やや難しく感じました。高校で習う範囲が出題されていたし、計算量が著しく多かった。あの問題を時間内にすべて解き切るためには、相当な計算力が必要です。 参考のために、過去問を載せておきます。 「たくさんの数を書き出させる問題は中学受験特有なんだよね。小学校で習う内容と違う。社会は大学受験でも活かせるくらい学ぶんだよね」 と筑駒出身の友人は中学受験をふりかえります。 小学生が受験のために学ぶ日本史や地理は相当高いレベルにあります。 ぼくは東大入試のために小学生が使う地理のテキストを購入して勉強していました。数年前には、千葉県で生産される農産物が東大入試の地理で問われましたが、その情報は高校生用のどの教科書にも載っていなかった。 しかし、小学生用のテキストには掲載されています。東大地理では中学受験をした小学生がやや有利であることは間違いありません。 「中学受験は大学受験より勉強時間が多かった。平日は21時まで塾で勉強してたし、土日は朝8時~19時まで勉強。ずっと問題演習をやってた。でも、みんなでやっているから楽しいんだよね。大学受験の勉強はひとりでやるから、中学受験とは違うよね」 勉強の内容も、勉強に費やす時間も、中学受験をしたことがないぼくには未知のものでした。 【前編】では、漫画『二月の勝者』で描かれていた内容は、決して大げさではなく、費やす時間も学習内容も相当高度なものが要求されるという中学受験のリアルについてお伝えしました。 ▶つづきの【後編】では、筑駒独特のルールがないようである、自由な校風とそこに根付く学びへの姿勢についてお伝えします。
元国税芸人 さんきゅう倉田