[MOM4897]流通経済大柏DF佐藤夢真(3年)_前期はBが主戦場も「無理してでもいい顔して」チームを牽引。這い上がってきた主将が決勝ヘッド!
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [11.3 選手権千葉県予選準決勝 八千代高 1-3流通経済大柏高 柏の葉] 【動画】あのちゃんがサッカー上手すぎ…W杯優勝FWが驚愕「自分の同僚とやってる感覚だった」 這い上がってきた主将が、決勝ゴールを決めた。1-1の前半36分、流通経済大柏高は左SB宮里晄太朗(3年)の右CKをニアのCB佐藤夢真(3年=FC多摩ジュニアユース出身)が頭で合わせて勝ち越し。先制しながらも追いつかれる嫌な流れを、3年生CBが断ち切った。 前日のセットプレー練習でゴールを決めており、予感もあったという。「(潰れ役になりながら、)いいボールが来たら自分が触ってゴールできればいいなっていう風に思ってたんですけど、実際にいいボール来たので、合わせるっていう感じで入って良かったです」とヒーローは振り返る。 榎本雅大監督が「2点目取れた時間帯が凄く彼らの後押しすることになったと思います」と評した1点。佐藤も「(追いつかれて)沈んじゃいけないよっていう風にはみんな言ってたんですけど、実際メンタルは沈んでいたと思う。そこで決めれて、またチームを勢いづけることができたので良かったなって思います」と微笑んだ。 その佐藤は後方から声を発し、球際の守備でも奮闘中だ。「CBとしてはやっぱちっちゃいんで、上では勝てないんで、やっぱ下は絶対勝たなきゃいけないっていうところと、駆け引きとポジショニングのところはエノさん(榎本監督)からも言われてるんで、そこは意識してやっています」。前半半ばに同点ゴールを許したものの、立て直し、八千代高をシュート3本に封じて勝利した。 佐藤は1年時から学年リーダーを務め、今年はCB奈須琉世(3年)と2人で主将としてチームを引っ張っている。だが、今季の開幕は流経大柏Bのメンバーとしてプリンスリーグ関東2部で迎えた。 前期は流経大柏Bの主将を務め、プリンスリーグ関東2部の9試合中8試合で先発フル出場。流経大柏Bはなかなか結果が出なかった一方、AチームはプレミアリーグEASTで無敗首位の快進撃を見せていた。流経大柏は普段、プレミアリーグのメンバーとプリンスリーグのメンバーが一緒にトレーニング。当時、佐藤には「自分はプリンス勝ててない中で、でも自分が引っ張っていかないっていかなきゃいけないってなった時に、凄く悩んだことがあります」と明かす。 「でも、自分が弱い顔見せたら、一応キャプテンっていう立場なんで、やっぱ先頭に走ってる人がそういう顔してると、みんなもどうしたんだろうみたいになっちゃうと思うので、そこは無理してでもいい顔してみんなを引っ張る、そのキャプテンという仕事をやってきたつもりです」 その佐藤はチャンスを掴んだ。Aチームで先発のCB富樫龍暉(3年)が出場停止だったプレミアリーグEAST・昌平高戦(6月30日)ではフル出場して3-1の勝利に貢献。そして、富樫が負傷離脱した後期はプレミアリーグで先発の機会を増やし、現在は主軸としてチームを支えている。 「(開幕当初は)キャプテンなのに何で試合に出れてないんだろうっていう風に自分を責めることもあったんですけど、自分のとこにチャンスが転がってきた時に、こうやって今日は点も運よく決めることができたので、不貞腐れずに頑張ってきてよかったなって思います」。ともにチームを引っ張ってきた奈須も佐藤のゴールを喜んでいた。 「ずっと3年間、佐藤がチームの先頭に立って常にやってくれてたんで、本当に決めた時はやっと報われたのかなと。結果でこう出してくれたので、本当に自分としても嬉しいですし、彼も本当に嬉しいかなと思います」(奈須)。この日の先発には佐藤ともに流経大柏Bで奮闘してきた選手が複数。佐藤は彼らやAチームを支え続けてきた選手たちとともに選手権出場を目指す。 優勝まであと1勝。「今日は点決めれていいプレーでしたけど、失点しちゃったんで(改善しないといけない)。今、調子いいんで、そこで相手FWを抑える自信はあるので、いい準備して、出れたら、自分のプレーを出すだけです」。富樫も復帰してきており、決勝までまた競争。這い上がってきた主将は決勝で出ても、出なくても声を張り、戦い、チームに安心感を与えて優勝に貢献する。