会社で「自転車通勤時は必ずヘルメット着用」と指示が出ました。ただ格好悪いし、法律では「努力義務」ですよね? 危険運転もしてないのに、会社に“強制”できるのでしょうか?
ヘルメットを着用しない場合どんな問題が起こるか
ヘルメットを着用しない場合の最大の問題は、交通事故などで死亡したり、大けがをしたりする可能性が高まることです。自分がどれだけ注意していても、交通事故にあう可能性は常にあります。ヘルメットが格好悪いといっても、最近ではファッショナブルな製品もたくさん出ています。自転車屋さんや通信販売などで1度チェックしてみてください。 なお、就業規則でヘルメット着用が義務づけられているのに守らなかった場合は、懲戒処分の対象にもなりえます。さらに、実際に交通事故に遭った場合、労災保険に関しては、労働者に過失があっても全額補償されるのが原則ですが 、労災保険でカバーされない損害もありえます。 加害者に損害賠償請求しても、被害者の過失分を加害者の負担すべき損害賠償額から差し引く「過失相殺」を主張される可能性もあります。安全第一で行動することが、万一の場合の補償を確実にすることにつながります。
自転車通勤のルールをちゃんと守ろう
ここまで解説してきたように、会社が就業規則で自転車ヘルメット着用を定めれば、それが労働契約の内容となります。従業員は、たとえ納得できなくても従う義務があります。ヘルメット着用が重篤な事故を防止するための大切なルールだということをぜひ考えて、就業規則に従ってください。 また、警察庁ではスマホ禁止、夜間点灯など自動車安全利用五則といった注意喚起もされています。これらも守って、ぜひ安全運転を心がけましょう。自身の身を守り、会社の信用を高めることにもつながるでしょう。 出典 e-Gov法令検索 労働契約法 e-Gov法令検索 労働基準法 警視庁 自転車用ヘルメットの着用 執筆者:玉上信明 社会保険労務士、健康経営エキスパートアドバイザー
ファイナンシャルフィールド編集部