「原晋監督を見返したい」“箱根駅伝で引退予定”吉田祐也は今や…青学大のテレビに映らない関係「太田(蒼生)さんは…」「お前はサビを落とせ」
このままだとお前、邪魔だ
<名言2> このままだとお前、邪魔だ。箱根を走る意気込みはどうした。このまま終わっていいのか。 (安藤悠哉/Number1087・1088号 2023年12月21日発売) https://number.bunshun.jp/articles/-/860233 ◇解説◇ 学生スポーツには「3~4年間」というサイクルがあり、学年ごとに力のバラつきが出る。その中で2017年、史上6校目の3連覇を果たした際の安藤ら最上級生はその苦しみを味わっていた。 この世代に決して誰もいなかったわけではなく、一色恭志というエース格がいた。しかし、新チームの目標を「三冠」と一色が主張する一方で、反対する声もあったという。さらには…… 1つ上の世代:神野大地、久保田和真、小椋裕介 1つ下の世代:田村和希、下田裕太 と有力ランナーが双方に多かったこともあり、いわゆる“狭間”扱いを受けたそうだ。 その中で主将を任された安藤は、1年時に原監督から「お前はまずサビを落とさないといけない。言われたことをやるだけじゃなくて、どうしたらいいのか自分で考えて行動する。能動的に動くためのサビ取りが必要だ。そうでないと絶対に上がってこられないぞ」と、自主性を持って活動することの重要性を諭された。主将となると不調の選手を鼓舞するために、冒頭の発言のような厳しさを見せつつも、誰かが声かけでフォローするようなバランスづくりにも粉骨砕身した。 そんな彼らがチームを引っ張った、同校史上初の大学駅伝三冠を達成。原監督はこう称えた。 「やっぱり4年生ですよ」
太田さんはゲームチェンジャー
<名言3> 個人としてはちょっと悔しかったですけど、今日まだ4人いるので。そして明日は5人いるので。 (荒巻朋熙/NumberWeb 2024年1月4日配信) https://number.bunshun.jp/articles/-/860242 ◇解説◇ 箱根駅伝連覇を果たした青学大。「駅伝男」こと太田蒼生が4区で見せた快走が印象に残るが――1年前にも鮮烈な走りを見せていた。それを自らが走った直後に“予言”していたのが、荒巻だった。 第100回大会の箱根で、荒巻はスターターを任された。一方で2023年度に抜群の強さを誇ったのは出雲と全日本を制した駒沢大で、1区にエントリーされたのはエース級の篠原倖太朗。そこに待ったをかけるため、原監督から「ハイペースでもついていける」と任せられたのが荒巻だった。 21.3キロを駆けた結果、区間賞の篠原とは35秒近くの差でのタスキ渡しになったものの、取材した記者が見た表情には、絶望の色はなかったという。それは後ろに控える頼れるランナーが控えているからこそだったのだろう。この年、3区を走った太田について聞くと、このような返答があった。 「太田さんはゲームチェンジャー。本当にスター気質があるので、流れを変える走りができるんじゃないかなと思っています」
後輩たちがいい位置で持ってきてくれたので
実際、太田は3区で佐藤圭汰を捉えて逆転し、首位を奪い返すとそのままトップを快走し続けて総合優勝を飾った。 「僕のところで先頭には立ちましたけど、1・2区の後輩たちがいい位置で持ってきてくれたので、あとは僕が仕事を果たすだけでした」 今年は往路後の婚約発表が話題になったが――1年前、昨年の優勝時の太田の言葉こそ、青学大の“チームで戦う”姿勢を象徴している。〈箱根駅伝「青山学院大連覇」特集:つづく〉
(「スポーツ名言セレクション」NumberWeb編集部 = 文)
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