８日から９日にかけての夜間、中国河南省でサイクリングする若者ら（中国のＳＮＳより・時事）

　【北京時事】中国河南省で、大学生が夜中に肉まんを求めてサイクリングするのが流行し、話題となっている。 　今月8～9日には20万人以上が一斉走行。政府は若者が自然発生的に集まり政府への抗議活動に発展するのを警戒しており、地元当局が規制に乗り出した。 　大学生らは、同省鄭州市から約50キロ離れた開封市に向けて走行。中国メディアによると、自転車にまたがった若者が道路を埋め尽くし、大量のシェアサイクルが乗り捨てられる事態となった。当局は一部道路を封鎖するなど対応に追われた。 　今年6月、鄭州市の大学生が「思い出づくり」と称し、徹夜で開封にサイクリングし、名物のスープ入り肉まんを食べる動画をSNSに投稿。それが話題となり、「開封で肉まんを食べよう」を合言葉にまねる若者が続出した。開封市当局が観光誘致のため、市内の名所などを大学生に無料開放したことも拍車を掛けたとみられる。 　地元当局は自転車の通行を規制しており、香港メディア「香港01」によると、各大学も寮に住む学生の外出を制限し始めた。だが、反発して徒歩で開封市に向かう学生や「自由な人間は恐れない」と書いた旗を掲げる学生も現れているという。 　米政府系のラジオ・フリー・アジア（RFA）によると、他の地域でも大学生の夜間サイクリングが流行しつつあり、各地の教育当局が禁止令を出している。