トランプでも金正恩でもなく「北朝鮮問題」の本質は「中国問題」
中国が日米切り離しを仕掛ける可能性
韓国における米軍のプレゼンスが低下すれば、日本はその中国と対峙する「最前線国家」となり、今まで以上に安全保障上の負担が必要になる可能性がある。そして、中国は「米韓」の次に「日米」の切り離しに照準を合わせてくるかもしれない。 今は北朝鮮について議論しているが、中長期的に見れば、日本にとっても問題の核心は中国なのだと思う。 今は日米同盟を基軸に対応しているが、「米国第一主義」の行方次第では、数年後には、米中の狭間でバランスを取らざるを得ない状況まで押し込まれている可能性もある。
------------------------------- ■渡辺靖(わたなべ・やすし) 1967年生まれ。1997年ハーバード大学より博士号(社会人類学)取得、2005年より現職。主著に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会、サントリー学芸賞受賞)、『アメリカのジレンマ』(NHK出版)、『沈まぬアメリカ』(新潮社)など