<上海だより>サラリーマンには悩ましい “2.0”に進化するご当地グルメ
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以前に上海のローカル系ラーメン屋が進化しているという内容をお伝えしましたが、その流れはラーメンに限らず、その他の上海ご当地グルメにも見ることができます。特定の商品に限ったわけではなく、食生活のあらゆる消費において安心できて、美味しい「良いモノ」を求めているのです。それによって、朝ごはんなどで見られるご当地ならではのグルメにおいても、最近は多くの店で革新が起き始めています。
ご当地グルメの多くは、味は良いですし、馴染みの店員との会話もあるなど良い部分ももちろんあるのですが、しかしどうしてもお店は古く、汚い店舗が多く、日本人としては衛生的にも不安を感じるお店が多いです。客層も地元の高齢者が多く、実は上海の若者も敬遠しており、このようなお店で食事をする人も相当減りました。 とはいえ、彼らも元々はこのような食べ物自体を嫌いなわけではありません。時代の変化とともに洗練されていく食文化のマーケットに対応するように、ご当地グルメも衛生面にも注意を払い、お洒落に美味しく食すような、“2.0”の段階に入り始めていると考えられるでしょう。
例えば、大可堂という以前から上海では有数のプーアル茶館として知られていたお店の一階に増設された「老味道」があります。濃い口の豆乳スープに塩味と辛味をつけた朝ごはんの定番である「咸豆醤」と、中国の揚げパン「油条」、ちょっとモッサリ食感が特徴の釜焼きパン「焼餅」など伝統的な上海の小吃(小腹を満たす食べ物)を味わうことができます。一階はレジとオープンキッチン、二階は快適に食事を楽しめるテーブル席が用意されています。
また、小籠包や焼き小籠包はじめ炒め物定食から麺まで、多様な中華料理を気軽に食べられる食堂のような蘇州湯包館という系統のお店も街中に多くあるのですが、近年は多くの店で清潔感のある内装にリニューアルが進み、利用しやすくなっています。 路面にある肉まん専門店も古い店ばかりでしたが、最近は香港系のお店も含め、綺麗で使いやすい店が増えています。もちろん値上げも年々続いているのですが、消費者のニーズに合わせていかなければ、値上げだけしていてはお店が続かないので、各店試行を重ねているようです。