【尾上右近の挑戦】今、話題の『東海道四谷怪談』絶対に観て欲しい!
歌舞伎俳優・尾上右近さんが主演を務める『東海道四谷怪談』が今、話題に! 博多が盛り上がっている。「四谷怪談、凄かった!」「迷っている人は絶対行って欲しい」「舞台の仕掛けや早替えも本当に楽しかった」……興奮冷めやらないSNS投稿が続々と。四谷怪談と言えば、亡霊となって夫に復讐するお岩の執念を描く怪談。人気作家・鶴屋南北の普遍的なメッセージが込められていて、現代に生きる私達女性にも共感できるところがたくさんあるらしい。その見所を尾上右近さんへのインタビューにて、博多座情報とともにお届けします! 歌舞伎関連写真をもっと見る
我慢している気持ちを代弁し、恨みを晴らしてくれるお岩さま
「『四谷怪談』は、ずっとつとめさせていただきたかった作品です。男女平等ではない江戸時代、ずっと我慢をしている女性にとって、お化けになって夫や騙していた人々を苦しめていくシーンは、『私達がずっと我慢している気持ちを、お岩さまが幽霊となって代弁してくれる!』と胸のすくような想いだったと思います。みんなが我慢して言えないことをお岩さま一人で代弁、仕返ししてくれる。南北はある意味、現代でいうフェミニストなんだと思います。”庶民の味方”という歌舞伎の精神が感じられ、僕がこの作品を好きなところのひとつです」 ©松竹
実はフェミニスト!? 人気作家・鶴屋南北が描く”怪談の傑作中の傑作”
「江戸時代屈指の人気作家・鶴屋南北が描いたお芝居は、現代に通じる普遍的なメッセージ性が込められているんです。武士の娘として育てられたお岩さまは、親のために身を売って生計を立てるも、その父親も誰かに殺されてしまう。その敵討ちをしてくれるという伊右衛門と結婚するも、いつも邪険にされ、男の子の赤ちゃんが生まれても全く喜ばれず、父親の敵討ちをする約束も実行されない。その上、夫は隣家と企んで、産後の肥立ちの悪いお岩さまに良薬と偽って毒を盛っている。お岩さまはずっとずっと我慢しながらも、夫のことを大事にしている。 ある日、騙されていることを知って、ずっと我慢していた気持ちが破裂する。『ここまでやられたら溜まったもんじゃない』と、蓋をしてきた普通の人間としての感覚が爆発し、死に際に怨霊となって仕返しをすることを決意する。その場面の心情の変化をぜひ観ていただきたいです」