藤井聡太王座「非常に楽しみ」 来年の王座戦はシンガポールで開幕 自身2度目の海外対局/将棋
将棋の第72期王座戦五番勝負で初防衛した藤井聡太王座(22)=棋聖・竜王・名人・王位・棋王・王将との7冠=が9日、東京都内で行われた王座就位式に出席。来年の五番勝負がシンガポールで開幕することが発表された。 藤井王座にとって海外対局は、2023年の第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負(主催・産経新聞社など)の開幕となったベトナム対局以来2年ぶり2度目。王座戦の海外対局は、藤井王座が生まれた2002年、中国・上海で第50期の第3局が指されて以来23年ぶりとなる。来年の五番勝負で3連覇がかかる藤井王座は「シンガポールで開催していただくということで、私自身も非常に楽しみにしています。海外の方にも将棋の魅力をより感じていただけたらと期待しています」と語った。 今年の五番勝負は、2年連続の同一カードで挑戦者に永瀬拓矢九段(32)を迎え撃ち、3連勝して初防衛。謝辞では「初防衛を目指す立場ではありましたが、気持ちの上では再び挑戦者として前期よりも良い内容の将棋が指せればと思い対局に臨みました。シリーズを振り返ると時間配分も意識しながら、良いペースで全体として指すことができたんじゃないかなと感じています」と手応えを語った。 また、「力戦に近い指し方を志向したこともあり、考えても形勢判断がつかないような局面も少なからずありました。ただ、そういった局面こそが将棋の奥深さだったり、新たな可能性というのを開くものでもあるのかなと感じています。今後もそういった局面に対する判断力、思考力を高めより面白い将棋が指せるように精進していきたいと思っています」と誓った。 現在、年内最後のタイトル戦となる竜王戦七番勝負が進行中。挑戦者の佐々木勇気八段(30)に3勝2敗で4連覇に王手をかけており、11、12日に第6局に臨む。来年は1月12、13日に永瀬九段の挑戦を受ける王将戦七番勝負が開幕し、4連覇を目指す。