【ボクシング】日本バンタム級王者増田陸が7回TKO勝ち 右目切り裂き、最後は力でねじ伏せる
<プロボクシング:WHO,S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT>◇2日◇東京・後楽園ホール プロボクシング日本バンタム級王者の増田陸(27=帝拳)が、7回TKO勝ちで初防衛に成功した。 中盤までは強打を警戒して頭を下げてトリッキーに動く同級8位宇津見義広(40=ワタナベ)を攻めあぐねたが、6回から左ボディーブローに狙いを切り替え、7回にダウンを奪ってレフェリーストップ勝ちした。 試合後、増田の白いトランクスが朱色に染まっていた。3回に自慢の左強打で挑戦者の右目尻を切り裂くなど終始一方的に攻め続けたが、宇津見の変則的な動きに、なかなかフィニッシュできなかった。「4回以内のKOを考えていたけど、相手のペースにつき合ってしまい、仕留めるところで仕留め切れなかった。やりにくかったですね。多少強引に行ってもよかったのかなと思います。20点です」と、初防衛も笑顔はなかった。 昨年8月にプロ4戦目で日本バンタム級王者(当時)だった堤聖也(28=角海老宝石)に挑戦して小差判定で初黒星を喫した。その堤が先月13日に東京・有明アリーナで前王者の井上拓真(28=大橋)に判定勝ちしてWBA世界バンタム級王座を奪取。試合を会場で観戦した増田は「自分も早くそこにたどりつきたい」と気合が入っていたが、試合後は「今日の内容ではまだまだ手が届かない」とトーンダウンした。 現在、世界バンタム級全4団体の王座は日本人が独占している。増田もWBA10位にランク入りしており、来年中の世界挑戦が期待されている。「次は防衛戦をやるのか、別の道があるのかまだ分からない。誰が相手でも勝てるようにしたい。いい勉強になりました」。6勝(6KO)1敗の強打者は、この経験を世界への糧にする。【首藤正徳】