えっ、これがジャガー? 2000万円超の高級EVブランドへ 新型「タイプ00」が示す道とは
すべてが前衛的
今までの騒動は忘れよう。できれば、この2週間の「Living Vivid」や「Breaking Moulds」に関する騒ぎは、頭から消し去ろう。 【写真】新時代の幕開けを告げる2ドア・クーペ【ジャガー・タイプ00コンセプトを写真で見る】 (16枚) 代わりに、待望の次世代コンセプトクーペ、ジャガー「タイプ00(ゼロゼロ)」に注目していただきたい。90年の歴史を持つジャガーブランドにまったく新しいデザインスタイルをもたらし、2026年からショールームに登場するEVシリーズの方向性を定めるものだ。 タイプ00は2ドアのクーペで、このボディタイプは量産化されないと聞いている。1961年のジャガーEタイプのレイアウトを彷彿とさせるように、今回あえてこのコンセプトカーが選ばれたのかもしれない。Eタイプはジャガーデザインにおける過去の飛躍の先駆者として、誰もが挙げるクルマだからだ。 同社関係者によると、タイプ00のサイズ、プロポーション、そして何よりもデザインスタイルは、今月初めにテスト走行の様子が公開された次世代量産車(4ドアのセダンタイプ)に「非常に近い」という。このモデルは、新設計のJEAプラットフォームをベースに、2026年から順次発売される3車種のうちの1台目である。 ジャガーの推定では、JEAプラットフォームは航続距離約692km(米EPAモード)を実現し、15分間の充電で約321km(同)を走行できる能力を備えている。バッテリーの容量は未公表だが、100kWhを超えると考えられる。 タイプ00は、12月2日に米国のアートフェア「マイアミ・アート・ウィーク」で発表された。デザイナーが13台の実物大モデルを製作するほどの徹底的なプロセスを経て完成したものであり、その成熟度の高さがうかがえる。デザイン部門の責任者であるジェリー・マクガバン氏によると、すべてが前衛的であったという。「反復的なアプローチでは、我々が目指すところには到達できなかっただろう」と同氏は振り返る。 車名には、これまで多くのジャガーの名車に用いられてきた「タイプ(Type)」という言葉を使用しており、今後の命名法が過去からあまりかけ離れたものにはならないことを示唆している。