えっ、これがジャガー? 2000万円超の高級EVブランドへ 新型「タイプ00」が示す道とは
12万ポンドの価格帯へ
タイプ00は、前ヒンジ式のディヘドラルドアを備えた2ドア車であり、量産モデルよりも短いホイールベースで設計されている。量産モデルでは、傾斜したルーフ、ロングホイールベース、独特な長さのボンネットなど、旧来のジャガーのスタイルを踏襲することが分かっている。 また、重いリアウィンドウを廃止し、代わりに2つのサイドカメラによるデジタルバックミラーを採用した。 ジャガーによると、タイプ00のエクステリアデザインは、長く自信に満ちたラインと、美しく贅沢なプロポーションを特徴としているという。表面処理は極めてシンプルで、ほぼフラットな箇所もあるが、滑らかな複合曲線が含まれた部分もある。 全体として大胆で革新的な印象を受けるが、これはデザイナーの狙い通りだ。モダンな表面処理と控えめなディテールにより、洗練され抑制の効いた印象を与え、12万ポンド(約2300万円)という現行モデルの2倍以上の価格帯にふさわしいものとしている。 グリーンハウスは低さを強調している。ウエストラインはかなり高く、フラットなルーフとリアパネル(窓なし)を備え、まるでチョップトップのような外観だ。その点では、かつてのジャガーXJSに似ていると言える。 フロントには従来型のグリルはなく、装飾として16本のバーからなる新しいデザイン要素「Strike Through」が使われている。同じデザインがボンネット上部にも使われ、フロントガラスを通り抜けて車内のダッシュボードにつながっている。巨大な23インチホイールも、Strike Throughをデザインの一部として使用している。
ミニマルだが斬新なインテリア
インテリアは、レザーではなく、クヴァドラ(Kvadra、デンマークのブランド)のようなモダンで持続可能なテキスタイルを採用している。クリーム色を基調とする2人乗りのキャビンで、ステッチの目立たないエレガントなバケットシートが2脚並ぶ。また、センターコンソールには「トラバーチン・ストーン」と呼ばれる本物の石の化粧板が貼られ、前後を貫くようにして真鍮の背骨が走っている。 コントロール類と計器類は、最小限のミニマルなデザインに抑えられている。インテリアデザインのチーフであるトム・ホールデン氏は、「エクステリアと同様に、展開可能なテクノロジーがインテリアの特徴だ」と語る。 ドアの開閉は、長いパノラマルーフの隣にあるルーフコンソールで行う。またドライブモードはスイッチで選択するのではなく、真鍮のトークンをセンターコンソールのスロットに差し込んで選択する。 美しい部分もあれば、ギミック的な機能もある。エクステリアとは異なり、こうしたインテリアが2026年の量産モデルにどれほどの影響を与えるかはまだわからない。