美しい演奏を披露する団員＝白山市松任学習センタープララ

　　●募金箱に善意 　金沢市宝町の子ども合奏団「百々女木（どどめき）バラック合奏団」は10日、難病を患う小学2年の団員、西谷直暁さん（7）の心臓移植手術費を募るチャリティーコンサート（北國新聞社後援）を白山市松任学習センタープララで開いた。闘病中の仲間と一緒に再び演奏したい思いで児童が企画し、西谷さんを思って練習の成果を発揮した。会場には多くの聴衆が集まり、募金箱にも善意が寄せられた。 【写真】手術費用の善意を募る児童 　　●子ども20人熱演 　合奏団の20人が出演し、ステージには西谷さんの椅子や楽譜台とともに、チェロを弾く姿の写真も飾られた。 　メンバーはビバルディの「協奏曲ト短調・夏」など8曲を演奏し、チェロとバイオリンの美しいハーモニーを響かせた。西谷さんが好んで演奏したフレーズを曲にした「でんしゃビュン!ビュン!かぜゴーゴー!」も披露され、聴衆は軽快なメロディーを楽しんだ。 　西谷さんは昨年10月に心臓の壁が硬くなり心不全につながる難病「拘束型心筋症」と診断され、治療のため現在は大阪で暮らしている。曲間では、西谷さんの母美里さんから「闘病生活はまだまだ続きますが、乗り越えていきたい。温かい支援に感謝しています」とのメッセージが紹介された。 　射水市出身のメゾソプラノ歌手で、合奏団と親交がある串田淑子さんが特別出演し、歌で西谷さんへ思いを届けた。串田さんは「つらいときが来ても負けずに、前向きに過ごしてほしい」とエールを送った。 　会場には募金箱が置かれ、終演後は合奏団メンバーが善意を呼び掛けた。入場料と募金の全額が西谷さんの手術費に充てられる。 　西谷さんと幼稚園の頃から仲が良いという小澤麻央さん（8）=金沢市三馬小2年=と南沙樹さん（8）=同市富樫小2年=は演奏を聴き、「直暁君の曲が一番好き。今度はステージで直暁君が演奏するチェロの音色を聞きたい」と声をそろえた。10日付本紙朝刊でコンサート開催の記事を読んで訪れたという白山市の60代女性は「頑張っている西谷さんの力に少しでもなりたい」と話した。