衆院選、子どもと会話を交わしたことが「ある」は36% 子どもと「政治」をどう話す?
まずは子どもの意見に耳を傾けて
保護者は、政治・選挙について子どもとどのように会話をすればよいのでしょうか。 公立小学校で約20年教員を務め、全国で教育関係者や家庭向けの研修・講演を行っている庄子寛之氏(ベネッセ教育総合研究所)に聞きました。 ――学校では、政治や選挙についてどのような指導がされているのでしょうか。 学校では、政治の歴史や仕組みについて教えることはあっても、具体的な政策や選挙情勢について話すことはほとんどありません。教育における政治的中立性の観点から、学校の先生は、特定の政党の支持につながるような話し方はできないからです。 そのため、「〇〇党の政策はこうで、△△党とこう違う」「××党の政策は、みんなの生活にこう影響する」というような話は、学校では一切されていないと言って過言ではないでしょう。 ただし、若い世代が政治に興味を持つことはとても大切です。未来の担う世代の声が政治に反映されなければ、将来、社会全体が大きな困難に直面することになるでしょう。 ――家庭で子どもと政治について話す時は、どうすればよいのでしょうか。 学校ではほとんど教えられないことを前提に、まずはお子さまが政治について考えるきっかけをつくってみてはいかがでしょうか。 たとえば、新聞やテレビのニュースなどで各候補者の公約を見て、「どの人がいいと思う?」「どうしてそう思うの?」と聞いてみてください。どんな考えでも、まずは否定せず耳を傾けることが大切です。 また、最後に「私(保護者のかた)も勉強になったよ」「話してくれてありがとう」と伝えるとよいと思います。そうすることで、お子さまも安心して政治について考えたり話したりできますし、今後も政治への関心を持ち続けることにつながるでしょう。 (※)保護者のかた向けWebアンケート(回答者1,255名 ※未回答除く)より 調査期間:2024年10月7日~14日
プロフィール 庄子 寛之 ベネッセ教育総合研究所 教育イノベーションセンター 主任研究員 公立小学校の教員を20年近く務めた後現職。 臨床心理学科を修了し、人をやる気にさせる声かけや環境づくりを専門とする。 全国各地で研修を行い、研修回数は400回を超え、受講者も10,000人以上となる。
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