トランプ氏、「タカ派」チェイニー氏は銃撃されるべきと発言 ハリス氏「大統領に不適格」
(CNN) 米共和党の大統領候補トランプ前大統領は自身に批判的な共和党のリズ・チェイニー元下院議員について、「戦争好きのタカ派」と評し、銃撃されるべきだとの認識を示した。 【映像】トランプ氏、政敵に「銃撃されるべき」と発言 トランプ氏は10月31日、アリゾナ州グレンデールでの選挙イベントにFOXニュースの元司会者タッカー・カールソン氏と登壇した際、チェイニー氏について「彼女は戦争好きの過激なタカ派だ。彼女にライフルを持たせてあそこに立たせ、9本の銃で銃撃してみよう」と発言。「自分の顔に銃が向けられた時に彼女がどう思うか、見てみようじゃないか」と述べた。 チェイニー氏はかつて下院共和党のナンバー3だった人物。トランプ氏はチェイニー氏に中傷の言葉も浴びせ、「大ばかもの」「おろかな人間」「まぬけ」と酷評した。 チェイニー氏は銃口を向けられるべきだと示唆するトランプ氏の発言は、政敵に対する暴力的な言葉遣いが一段と過激化したことを示す。大統領選を数日後に控え、2020年選挙での敗北を認めていないトランプ氏は早くも国民の信頼感を損なう動きに出ている。数週間前には、「内なる敵」と評する政敵に軍事行動を取ることも示唆した。 チェイニー氏はおそらく、トランプ氏による20年選挙結果転覆の試みや、21年1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件へのトランプ氏の関与を最も声高に批判している共和党関係者だ。議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会で主導的な役割を果たした後、22年中間選挙の予備選でトランプ氏の支持を受けた対抗馬に敗れ、ワイオミング州の下院議席を追われた。 チェイニー氏は夜になってトランプ氏の発言に反応。「これは独裁者が自由な国を破壊するやり方だ」と述べた。 さらにX(旧ツイッター)で「独裁者は抗議の声を上げる者に死の脅迫を与える。狭量で執念深く、冷酷で不安定な独裁者志望の男に我々の国や自由を委ねるわけにはいかない」と表明した。 チェイニー氏はこのところ民主党の大統領候補ハリス副大統領と一緒に遊説を行っており、政党間の違いを脇に置いてハリス氏を支持し、民主主義への脅威となる候補を拒絶するよう共和党員に訴えている。 ハリス氏は1日、同行記者団の取材に、トランプ氏の発言後にチェイニー氏と会話していないことを認めつつも、こうした言葉を使う人物は「明らかに大統領に失格、不適格だ」と指摘した。