月3万円からの購入も可能に サブスク別荘「SANU」に聞く、セカンドホームのある暮らし<前編>
古賀氏自身も出産を期に、サブスクから所有に切り替えたひとり。より柔軟に都市と自然を行き来する暮らしを楽しんでいるそうだ。所有の会員は、30~40代でバリバリ働きながら子育てをしている家族がほどんどだという。 所有の場合、30年間の利用が可能だが、4年間保有するとSANUの会員が属するセカンダリーマーケットで所有権を販売することも可能になる。
富裕層だけじゃない、多くの人が別荘を持てる時代に
SANUをはじめ、さまざまなセカンドホームサービスが誕生したことで、私たちは「都市」と「地方」の2拠点生活を選択しやすくなった。月額55,000円は誰もが気軽に利用できる価格帯ではないが、「利用を検討したい」「一度使ってみたい」と考える人は多いのではないか。
SANUの会員の多くは、観光だけでなく地方での“暮らし”も楽しむ人が多いという。朝はいつもより早めに起床して周囲を散歩、丁寧にコーヒーを淹れて朝食を済ませたら、デスクに向かって仕事をする。夕方は少し早めに仕事を切り上げ、地元のスーパーへ。地場の食材を購入して、キッチンやバーベキュー台で調理をする。会話をしながら、あるいは映画を観ながら、ゆったりと食事の時間を過ごす。夜は星空を眺めながら散歩をするのもいいかもしれない。 筆者は3度にわたるSANUでの宿泊体験がある。自然のエネルギーに満たされながら、ゆるやかに過ごすSANUでの時間はちょうどいい非日常感で、身体や心が喜んでいるような感覚がある。拠点が変わっても「ただいま」と言いたくなる世界観もSANUならではかもしれない。 SANUの会員は、自然のなかで何もしない時間を大切にしたり、自宅の延長のように一人の時間も家族との時間も楽しんだり、子どもと一緒にアクティビティではしゃいだり、思い思いにセカンドホームライフを満喫しているという。 「セカンドホームでの暮らし」がいよいよ身近になってきている。セカンドホーム市場がここからどう変化していくのか、期待が高まる。 後編では、2024年8月にオープンしたばかりのSANUの新施設「北軽井沢2nd」を訪れ、新たな建築モデル「SANU CABIN MOSS(モス)」に体験宿泊した様子をお伝えしたい。
取材・文:小林香織 /編集協力:岡徳之(Livit)