【政治決戦】2024年衆院選から2025年参院選へ 勝敗のカギはどこに?~“知ってたつもり”選挙の仕組みと数字でみる展望~
参院選「1人区」の結果のインパクト
「1人区」がどれほど大事なのか。過去の選挙を2つ紹介したい。 2007年の参院選は、年金をめぐる問題や相次ぐ閣僚の不祥事で、当時の第1次安倍内閣にとって逆風の選挙。 当時、「1人区」は29あったが、自民党は6選挙区でしか勝てず、民主党(当時)を中心とした非自民の候補が23選挙区を制した。 この結果は大きく、自民党は結党以来、初めて参院の第一党の座を失い、代わって第一党となった民主党は、2年後の衆院選でも勝利して政権交代に繋げた。 この選挙で当選した議員が、任期の6年間を終えて再び選挙に臨んだのが2013年だ。 この間に民主党は国民の信任を失い、前年の衆院選で自民党・公明党に敗北して政権から転落。安倍氏が首相に返り咲いていた。 2013年当時の「1人区」は31あったが、民主党の公認候補が全敗。 一方、自民党は29の選挙区で勝利し、参院の第一党に返り咲くとともに、公明党とあわせた与党の議席が参院の過半数を占めた。 安定的な基盤を得た安倍氏は、その後、史上最長となる期間、首相を務めることになった。 2回の参院選を振り返ると、「1人区」が“勝敗のカギ”を握るとされる理由と共に、結果が政局の行方に及ぼす影響の大きさがわかる。
野党の「一本化」はできるのか
「1人区」がいかに重要かを確認した上で、改めて野党の中心人物たちの発言をチェックしてみよう。 立憲・野田氏 「1人区でどれだけ野党が一本化をして、自公と戦って勝てるかというのは次の参議院選挙で一番の勝負だと思う」 野田氏は、「1人区」で野党の候補者が乱立することないよう、事前に調整して1人の候補に絞り、与党側と「1対1」の勝負に持ち込むことが重要だと訴えている。 簡単にいえば、1人しか当選できない以上、“束になって与党に挑もう”という策だ。 維新・吉村氏 「1人区での一本化は、僕は絶対やるべきだと思っている」 また、吉村氏は番組の中で、「来年の通常国会が始まるまでに維新としての予備選案をまとめる。それを野田さんに、また他の野党にも提示したい」と明らかにした。一本化の調整の方法として、選挙の公示前に野党の候補同士で「予備選挙」をやろうという呼びかけだ。 国民・玉木氏 「1人区の予備選は考えていない」 しかし、玉木氏は「予備選挙」に否定的な立場を、吉村氏に直接、伝えている。 参院選で“勝敗のカギ”を握る「1人区」において、それぞれの思惑がある野党各党が果たして候補者の一本化ができるのか、「予備選挙」が実施されるのか、2025年の大きな注目点の1つだ。