10年間でEC業界はどのように変化したのか? 運営堂の森野さんと振り返る業界の変化+注目トピック+長期間コンテンツを続けるコツ
■ アマゾンの登場が大きな転機になった? アマゾンが登場して、「楽天市場」でさまざまな施策が行われ始めてから、大きく変わっていったなと。「楽天市場」は如実にアマゾンに寄せてきていると感じますが、アマゾン並に手軽に買えて商品が早く届くことに消費者が慣れてしまったら、そうなってしまいますね。
ページもシンプルというか無機質な雰囲気になってきているように感じます。
10年前の「楽天市場」は動くエフェクトを使っていたり、縦長ページ、派手だったりとすごいページがたくさんありました。商売感があって、商人の世界だったなと。今はシステマチックでデジタルの世界になってきているように感じます。
2024年2月にKDDIがローソンの株式公開買い付け(TOB)を発表したように、業界再編に注目しています。 今後、EC業界は大きいところと小さいところの二極化しそうだなと。そうなると、大きなモールで運営していくのか、とことん尖るかを決める必要が出てきます。中途半端なECでは生き残っていくのが相当厳しくなる。株主から「売り上げを伸ばせ」と言われても伸ばせないなら、企業同士が合併していくしかないでしょうし。 それから、物流。2024年問題を機に山奥などはモノが届かなくなってしまうんじゃないかと思っています。配送キャリア側が「細かいところまで届けられません」となってしまい、さまざまなところに影響が出るんじゃないかと。ドローンやAIが進化しても数が増えてしまえばコントロールが難しくなって、新たな問題も出てきますし。
地方配送は3大キャリアが共同配送で運用していきそうですね。そこに政府が補助金を出す、といった形式になるかも。
コンパクトシティみたいにぎゅっと集まって、「そこにしか届きません」みたいになるんじゃないでしょうか。 物流問題って届く・届かないではなくて、町のあり方から問われていると思うんですよね。人口の少ない地域が点在するとなにかと効率が悪いので、一か所に固まらざるを得ない。その一方で感情的な面もありますし、歴史とか文化の面などいろいろな問題があります。