「石破ショック」は投資のチャンスか、それとも…場合によってはデフレに逆戻りも?(黒岩泰/株式アナリスト)
【シニアのためのマネー講座】#114 ♪リーマン・ショックにコロナショック、ショックにいろいろあるけれど~と、のんきに歌っている場合ではない。 米国の利下げで日米の株価は過去どう動いたか 「石破ショック」が起きたからだ。先の自民党総裁選で逆転勝利。5度目の挑戦で、ようやく栄冠を手にした。 しかし、株式相場は“石破首相”を嫌気して大幅安。即座に5%以上の急落となった。ある意味、「拒否反応」を起こしたのである。 石破氏を嫌がる理由は、「顔が怖いから……」ではなく、とにかく増税を容認しているからである。 金融所得課税に防衛増税。場合によっては「消費税を15%に引き上げるのでは?」という観測もあがっている。経済がメタメタになりそうなのだ。投資家が嫌がるのも無理はない。 また、「岸田前首相の政策を継承する」としており、対米隷属、親中路線が継続される公算が大きい。結果的に日本の国富が奪われ、安全保障に危機が訪れる可能性もある。 その一方で「早期の解散説」が出ており、10月27日に総選挙が行われる可能性がある。ちょうどこの日は岩手の参院補欠選挙が行われる日。タイミングがいいのだ。 補正予算成立前という時期もバッチシ。もし、ここで自民が大幅に議席を減らせば、すぐに「責任論」が浮上するだろう。「やっぱり石破は人気がない」という話になり、「石破おろし」が始まるかもしれない。 そうなると、シニア投資家に出番が回ってくる。石破氏が下げた株価を、次の首相が持ち上げる可能性が高いからだ。これは儲けのチャンス。年金の残りで勝負してみるのはどうか……。 でも、そんなシナリオが絵空事に終わり、石破氏が続投した場合には、日本に悲劇が訪れる。アメリカや中国にやりたい放題やられ、国際社会での存在感を失う可能性があるからだ。 株価は下落し、為替は円高に。場合によっては、デフレへと逆戻りしてしまうかもしれない。 石破ショックが、いよいよ自分の身に降りかかる。 「♪YouはShock!」「おまえはすでに死んでいる」とばかりに、秘孔を突かれるのである。 「でも、大丈夫。いざというときには、軍事オタクの石破さんが守ってくれる」 「いやいや、彼はうしろから鉄砲を撃つような人です」 どうやら怖いのは顔だけではないらしい……。 (黒岩泰/株式アナリスト)