中日が”阪神クラスター感染余波”に困惑
中日は29日、新型コロナウイルスの「陽性」反応が発表された阪神の伊藤隼太と接触した15人のうち、2人を4月5日まで自宅待機、12人を他選手との時間差練習措置とすることを発表した。 中日は阪神の伊藤が20、21、22日の3日間、ナゴヤ球場で行われた2軍との練習試合に出場していたことから、今後の感染拡大を防ぐために28日に1、2軍の首脳陣、選手、コーチ、スタッフら全員をヒアリング。伊藤と”接触”のあった15人の2軍の首脳陣、選手、スタッフについてNPB、Jリーグが合同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の専門家チームに所属している愛知医科大学・三鴨廣繁教授のアドバイスを受け、グラウンドで数分間の会話のあったA選手、3日間で複数回の会話をしたB選手の2人について、グータッチなどの接触もしており大事をとって自宅待機とした。残る13人のうち12人は数秒、数十秒程度の挨拶にとどまっていたため、他選手と隔離しての別時間練習措置とし、一人は通常通りの練習OKとした。自宅待機を4月5日までとしたのは「政府が感染の疑いのある人の隔離措置を2週間としており潜伏期間を考えて感染があれば、そこまでになんらかの自覚症状が出るはず」という理由から。現段階で発熱、咳、倦怠感、嗅覚、味覚異常などを訴えるものは出ていないという。 今日30日には、ナゴヤ球場のベンチ、ロッカーなどの定期消毒に加えアルコール消毒し、4月3、4、5日に予定されていた2軍の広島との練習試合は中止とした。中日は、同日、発表された15人の措置について阪神に報告した。 一方で不安は拡大している。阪神は伊藤、藤浪晋太郎、長坂拳弥の3選手の新型コロナウイルス「陽性」反応確定を27日に発表したが、ヒアリングの結果、感染した可能性の高い場所として14日に参加していた知人宅でのパーティーが浮上しており、彼ら以外の4選手が「入れ替わり立ち替わり」という形で参加していたことが明らかにされている。当初、阪神の選手以外に5人が参加したとされ、28日には、そのうち大阪在住の2人の女性の感染が判明、この日になって、さらにもう一人、そのパーティーに参加していた神戸在住の女性に陽性反応が出た。伊藤の同居人の陽性反応も確定しており計7人のクラスター感染の恐れが出てきたのだ。 さらに阪神は、この日、パーティー参加者が、のべ人数では、12人以上の可能性があることも明かした。 中日は、今後、残りの4選手のうちの誰かに新たに陽性反応が出て、もし、それが2軍選手で伊藤と共にナゴヤ球場での2軍の試合に帯同していたことが明らかになれば、再び、全首脳陣、選手、スタッフへのヒアリング、対応措置の作業を進めなければならず、また、現在、通常練習メンバーに入っている選手に感染のリスクがあれば大問題になるため、この日の阪神サイドとの”やりとり”の中で、他の4選手の名前が出ることを期待したが、それに対する回答はなかったという。